ロンドン生活76日目

学校で新しい人と知り合うと、大体instagramをフォローし合い、大体みんなアート系のことを投稿するので、それで情報を知れて便利である。今日はその情報をもとに、Royal Academy of ArtsでAntony Gormley の展覧会を見てきた。

アントニー・ゴームリーは1950年生まれのイギリスを代表する彫刻家。調べると、ゴームリーはケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジで考古学・人類学・美術史を学び、そのあとスリランカで仏教を3年学び、ロンドンに戻ってゴールドスミスを含む(先輩!)3つのロンドンの芸術大学でファインアートを学んだという。めっちゃ勉強好きやん!と思った。

ゴームリーの作品の中心となるテーマは「人間のからだ(human body)」である。(人間のからだと書くと、身体か体でいつも迷ってしまう。)彼はhuman body を「場所(place)」と定義する。それは経験であり感情であり意識であり記憶であり想像力の場所である。鉄などの金属でできた人間の形はすべてどこか憂いを帯びて見え、異なる密度で空間を占める造形物は見る者の心を不安にさせた。

(SUBJECT :複数の棒状の鉄が組み合わさってできた人間の形)

(CLEARING :輪っか状の細い鉄が展示室を埋め尽くす)

(MATRIX :空中に浮くワイヤーの構造)

(LOST HORIZON :重力を無視したように地面にも壁にも天井にも人が立っている)

(CAVE :展示室内に建てられた鉄の構造物。中に入ることもできる。)

作品も展示の仕方も、とてもよかった。すごくよかった。

「私たちのからだと私たちのいる空間がバラバラに切り離されて、どこかわけのわからない異世界でランダムに再構成される感じ」「物体と空間の関係により人は無限、あるいは宇宙の広がりの感覚を得ることができる」というようなことを、作品を見ながら思ったが、日常生活ではなかなか浮かばない発想である。私と一緒で、しかし私とは違った仕方で、鑑賞者それぞれがそれぞれ自由に自分の発想力を飛ばしているのだと思うと、なんとワクワクすることか。