ロンドン生活14日目
ナショナルギャラリーへ!
今日はweekend tripということでナショナルギャラリーに行った。大学が学生の芸術鑑賞をサポートするために、Arts、Design、Fashion、Film、Music、Photography、Theatre & Dramaの項目ごとに、「今これやってるよ」という展覧会やイベント情報を定期的にメールしてくれたり、時には簡単なツアーを企画してくれる。ロンドンの情報収集にまだ慣れていないので、とてもありがたい。
今回はそのナショナルギャラリーツアーに参加するつもりで、時間に集合場所に行った。・・のだけど、僕が場所を間違えたのか誰もおらず、結局一人で回った(笑)
(トラファルガー広場側、ナショナルギャラリー正面の様子、ピカチュウがいた。)
13〜15世紀、16世紀、17世紀、18〜20世紀初期と、年代別で別れて展示されており、美術の資料集に載ってて誰もが知ってる作品がバシバシ出てくる。ゆっくり見てるととてもじゃないが1日では見切れない。そして何と言ってもすごいのは、入場がなんと無料!!日本じゃありえないなー。
実際、最初にイタリアルネサンス絵画、フランドル絵画で割とゆっくり見て行ってたら普通に2時間とか経っててびっくり。後半は今日の気分で見たいものだけにして、残りは次回に回すことにした。こう思えるのが無料のよいところだと感じた。初回なのでイヤホンガイドも借りて観光客気分で楽しんだ。
今日知れてよかったこと一つ目はドガのこと。ドガはバレリーナの絵が有名なことくらいしか知らなかったのだが、彼は絵画制作における天才的なひらめきや一種の霊感みたいなものを強く否定していたそう。
「私の作品は自然体とは程遠いのだ。私のすることは、熟考して、偉大な先人たちを研究した結果なのだ。インスピレーションや自発的な動き、気質といったものは私にはなんの意味もない。題材とは何度も何度も、10回でも100回でも手を加えるものなのだ」(イヤホンガイドより)
議論好きで皮肉屋だったこともあり、画家仲間からは嫌われてたとのことだが、その態度と作品にはぐっとくるところがあった。
Hilaire-Germain-Edgar Degas, Combing the Hair ('La Coiffure') (1896)
それとはまた対照的だったのが、同年代に活動した、ゴッホ。ゴッホもまた人間関係において生きづらい人であった。ゴッホはゴーギャンとアルルの《黄色の家》での共同生活が決まった後、ゴーギャンのために肘掛け椅子を用意してあげたり、ゴーギャンのことを「イマジネーションと本物の芸術性に溢れた男だ」と尊敬したり、とても素直で、実直な人間性を持った人であった。けれども二人の共同生活はうまくいかない。1888年の冬、大激論を交わした後、自分の耳を切り落とすという事件が起こる。
「ゴーギャンはこのアルルという町や《黄色の家》、そして何よりも、わたしに対して少しばかり、苛立ちを感じているように思える」(イヤホンガイドより)
ゴッホが共同生活を楽しみにしていたことは、仲良くセットで自分の椅子とゴーギャンの椅子を描いていたところもからも伺えて、ゴッホの不器用なまでのまじめさ、素直さが、その後に起こるゴッホの運命を知っているが故に何とも言えず悲しかった。
Vincent van Gogh, Van Gogh's Chair (1888)
ナショナルギャラリーを出た後は、併設(?)されている、ナショナルポートレートギャラリーに行った。そっちもまためちゃくちゃよかったのだが、長くなるのでまた次回にする。(Cindy Shermanの写真展が特別展でやっていてすごくよかった!)
さてさて、今日は終わりです。