2023.11.9日記
今日の仕事は一日中動画の編集でした。長い公演の一部を切り取ってCMを作る仕事。動画の編集なんてやったことなくてどこを切ればいいのか全然わからん。(そんなやつにCM作らすなよ)でも自分の好きなようにやれるので楽しい。今どきYouTubeの編集とかやってる人も多いから動画編集って特殊技能ではなくなってるんだろうけど、ユーチューバーも大変よね。
帰り道、久世番子の漫画『ひらばのひと』を買って電車で読んだ。『ひらばのひと』は講談師の前座である主人公が修行の中で講談のいろはを知って成長していくマンガである。ひらばってのは独特の節をつけて読む軍記物の勇壮な場面のことで、「修羅場」と書いて「ひらば」と読む。毎度のエピソードが何らかの演目をテーマにしたものが多く、四巻では「徂徠豆腐」が出てきた。「徂徠豆腐」は義士伝などと同じ時代を描いた人情話で、貧乏学者が飢え死にしそうなところを通りかかりの豆腐屋が助け、のちに豆腐屋が火事で一切の家財を失った時、貧乏学者が荻生徂徠という偉い学者になっていて豆腐屋に恩返しするという話である。私は澤孝子先生の浪曲でこの話を一番最初に聞いたのでそのイメージが強い。澤孝子先生は女性だけど男の台詞がめっちゃうまくてキャラの人情深さも滲み出てた。そのあと5代目の宝井馬琴先生の講談をきいてこれもすごいよかったけど、個人的には浪曲の方が節と啖呵(台詞)が両方あることでメリハリがあって好きだった。