ロンドン生活234日目(帰国まで後3日)

そういえば会社を辞めてから1年が経とうとしている。会社員として働いていたことが遠い昔のように思え、まだ1年しか経っていないのか、と少し戸惑ったりもする。月並みなことを言うのも嫌だが、(と言う前置きを入れたところで自分の平凡さから逃れることはできないのだが、)この一年を振り返って、環境を変えること、新しい人に出会うことの大事さを知った。会社を辞めてBEOの留学準備コースに行ったことも、もちろんイギリスにきて生活をすること、授業を受けること、英語で芝居をみること、合気道をすること、バイトをすることも、やはりそれは自分にとって日常から出ていくことであったと思う。自分を変えるには環境を変えることだと言うが、自分が変わったかと言われるとそれはどうかわからない。ただ、日常を離れ、全く馴染みのない環境にいる自分を見つめる期間となったというか、それで見えてくる自分の弱さや情けなさや無知について、考えるきっかけになったとは思っている。

日本に帰る。それでホッとしている自分がいることもわかっている。住み慣れた環境に戻れる安心感。そう感じることのできるホームが自分にあることは幸せなことだと思う一方、何か心から喜べないのは、自分に与えられた、不安定な根無し草でいられる時間が失われてしまうことへの失望なのかもしれない。

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このあと、文章を続けようとすると、「日本にいても環境は変えれる。日々の生活の中を旅するのだ」と言うような、何やら怪しげな自己啓発的文章になっていったので、これ以上はやめておきます。そんなに思ってないことを書くのはやめよう。

すぐに帰ってこれることを願って、日本でもなるだけ根無し草でいたいと思う。