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綺麗な世界にいすぎたお話

 世界ってけっこうくそみたいな人いっぱいいるな~って実感したのってみなさんいつごろなんでしょうか。私は幼少期から高校生までとっても綺麗で優しい世界にいたので世の中の汚い部分に触れたことが一度もありませんでした。店員さんも基本的にみんな丁寧ですし、くそ教師!とかバカ!とか思うことはあったけれど、心の底からこの人には関わることすら危険であると思えるような人に出会ったことがありません。
 しかし大学に入ると状況は一変!世の中に隠れていた様々な悪意と対峙することになってしまいました。今でも忘れません忌まわしいコンビニバイトの経験…これまで"こちらが悪意を向けなければ基本的に無害な人々"としか会っていなかったのですが、私が店員というだけでありえんくらい敵意全開な人がごくまれにいました。掃除をしていると「お前目ついてるの?客がいるんだからさっさとどけろよ」と怒鳴る人や、たばこの知識が一ミリもない私にショートだのロングだのカートンだの!番号で言ってください。そしてわからない私を怒らないでください…。あまりにも事細かに書くとあれなのですが、飲食店で働いていた時もお前は○○に似てるからモノマネをしろだの、土下座して謝れだの、スマホを向けて私の写真を撮ってSNSにあげるぞ!と脅したりだの….もう同じ人間として到底理解できない悪にたくさん出会ってきました。
 けど私が見てきた悪って世の中で見ると本当にかわいいもんなのかなって思える出来事が最近ありました。これまで書いてきた人って純粋に馬鹿なんだと思います。教養とか礼儀とか、思いやりが著しく欠如していて外観だけ人間を保った存在なので、まぁクソだな~くらいで済ますことができるんですね。ただ世の中の真の巨悪って、教養とか礼儀を有していて、いかにも良い人を装って騙しにくる人がいるんです。久々に会った研究室でお世話になっていた先輩が、たった二年の間に純粋で良い人から、純粋で良い人の皮を被った怪物に変わってました。私はあまり人を疑うことができないのですが、それってこれまでかかわってきた人がみんないい人で疑う必要がなかったからなのかなって思います。先輩は私を騙そうとするどころか、いっしょにビジネスをしようなどといって、意気揚々と詐欺事業について語り始めたんですね。もうせめて私を騙そうとしてくれって感じです。なぜ仲間にしようとしたんですかね。う~ん。わかりませんが悪事を働いている人は、仲間を作って多数の力で自身の行為を正当化したいんじゃないのかなって思います。みんなが悪いことやってれば民主的にそれは良いことになるから?みたいな感じなのでしょうか。人をだまして金を稼ぐくらいなら死んだほうがましじゃないですか。私の心は罪悪感を背負ったまま前に進めるほど頑丈ではないので、適当に話をはぐらかして帰路につきました。すっかりあたりは暗くなり、雨の中泣きながら帰りました。自分の心の弱さと繊細さは、綺麗でとても脆いのだと実感しました。


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