大きめのスケッチブック

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私は、ちょっと大きめのノートが好きだ。

それも無地の。

B5サイズだと、小さく感じてしまう。

思えば小学校の頃から、ノートといえばB5サイズだった。

小学校の頃からずっと、ノートをとるのが好きだった。

小学校の頃は、基本はBの鉛筆で、持ってくるのが許されていた青や赤のゲルインキボールペン(当時の私にはそれはとてつもなく大人っぽくて、かっこよくて、さらさらさらとペンを走らせている自分に陶酔したりもしていた)で大事なことを書いたりしていた。歴史のノートと算数のノートは特にお気に入りで、授業の内容をきれいにまとめることが幸せだった。


それが、いつしかそれでは小さくなり、大学生になると、クロッキーのスケッチブックを愛用するようになった。

元はといえば、研究会に入ってすぐの頃、スケッチ課題のために買ったことがきっかけだった。

突如白紙の束を与えられた私は、どこに書いてもいいという自由が嬉しくて、降り始めのまばらな雨のように、スケッチブックの上にことばや絵をぽつぽつと描いた。

高校生までの私とはちがい、ノートをきれいにまとめることよりも、思考を吐き出すためにノートを使いたいと思うようになったのだ。


また、ぽつぽつ書きまくっても、以前として存在する余白が、余計に私を加速させる。


この大きな紙は、私がことばを吐き出すのを待っていてくれる。

どんと来い、どんなに吐き出しても、吐き出す余地はいくらでもある。

この、どっしりと待ち構えてくれるスケッチブックに、私はこれからも存分に甘える所存だ。



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