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PFFアワード2019|『散歩する植物』

2019/9/14

めちゃくちゃによかった。

こんな映画が撮れることに、羨ましさと、嫉妬と、憧れを抱いた。

もっと自分も貪欲に生きていたい。

自分の考えや、ふと感じた気持ちを、私も表現したい、作りたい。

そう感じた作品だった。

「人間力」という、誰もが一度は聞いたことがある言葉。

その「人間力」に対して感じた違和感を作品にしていたのだけれど、私も昔、別のものになりたいなあと、心から思っていたことがあったなと思い出した。

小学5年生くらいの時、あるあるの女子グループの中で、ハブる、ハブられるという、ループを繰り返していて、私はそれが本当に苦手で、学校に行くのがしんどくて、でも行かないわけにはいかないのも分かっていて、、、

それにプラスして、塾を通い始めたこともしんどくて、みんなよりも遅く入ったから友達があんまりできなくて、宿題もしんどいし、テストの結果がそのまま席順になるというプレッシャーもすごっかったしで、人生その時だけは、本当に生きていたくなかったし、もう人生やめたいと思ったけれど、お母さんが悲しむと思ったら、生きていなきゃと思って、踏みとどまった。

その時、一緒に暮らしていたおばあちゃんが、自由気ままに過ごしているのをみて、お母さんに「私もおばあちゃんになりたい。おばあちゃんに生まれ変わりたい」と言ったら、とても叱られたのを覚えている。

なんて叱られたのかはあんまり覚えてないけれど、娘が自分の人生を大切に思っていないことが、嫌だったのだと思う。

だから、「植物になりたい」と思う主人公の気持ちが、少し共感できた。

監督が映画を撮ってもわからなかった「人間力」とは何かを、ビラ配りのバイトをしているときにわかった、という話が面白かった。

「人間力」=「ビラ配り」ならしい。

ビラ配りは、通行人の顔色を伺って、通行人が何を考えているのかを察して、それに合わせってこっちがどうやって渡すのかを考えて動くあたりが一緒なのだと言った。

たしかに、そうだなと思った。

相手が何を考えているのかを察して、自分の行動を決める。

人間力だなあ。

あぁ、人間やめたいなあ

でも、人間たのしいなあ。

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