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直線の通過領域を調べてみよう 231025-2

前回は、$${xy}$$平面の直線$${l:~y=-tx+\dfrac{t^2+1}{2}}$$で$${t}$$ が任意の実数をとるときの通過領域を求める問題で、一つの見方・考え方を記事にしました。

今回は$${t}$$ の変域に制限をつけたいと思います。具体的には$${|t|\geqq 1}$$ である場合の通過領域を調べてみましょう。

前回のアプローチを踏襲して、
$${|t|\geqq 1}$$のときの$${g(t)=-tx_0+\dfrac{t^2+1}{2}}$$について、
$${g(t)}$$のとりうる値の範囲を調べます。
$${g(t)=\frac{1}{2}(t-x_0)^2+\dfrac{-{x_0}^2+1}{2}}$$
数学Ⅰの2次関数の問題になるわけですが、よく扱う閉区間でないので、パターンではなく、本当に理解しているか問われているような気がしました。

$${g(t)}$$ の値はいくらでも大きくなることができます。
下限について調べてみたいと思います。

任意の$${t}$$ に対して、$${g(t)\geqq g(x_0)=\dfrac{-{x_0}^2+1}{2}}$$

とりあえず、
(a) $${x_0\leqq -1}$$
(b) $${-1\lt x_0\lt 1}$$
(c) $${x_0\geqq 1}$$
の3つの場合に分けてみます。

(a), (c) については、$${|t|\geqq 1}$$ に $${x_0}$$ が含まれています。
したがって、最小値は $${g(x_0)}$$

(b) については、$${g(-1)}$$, $${g(1)}$$ のどちらかが最小です。
さらに場合を分ける必要がありそうです。対称性を用いると、
$${-1\lt x_0 \leqq 0}$$ のとき $${g(1)}$$ が最小、
$${0\lt x_0 \lt 1}$$ のとき $${g(-1)}$$ が最小であることがわかります。

以上より、
$${x \leqq -1}$$ においては、$${y\geqq \dfrac{-x^2+1}{2}}$$
$${-1\lt x \leqq 0}$$ においては、$${y\geqq x+1}$$
$${0\lt x \lt 1}$$ においては、$${y\geqq -x+1}$$
$${x \geqq 1}$$ においては、$${y\geqq \dfrac{-x^2+1}{2}}$$


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