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直線の通過領域を調べてみよう 231025-1

$${t}$$ を実数の定数として、直線$${l:~y=-tx+\dfrac{t^2+1}{2}}$$を考えます。$${t}$$ を 変化させると、直線が動きますが、$${xy}$$平面で通過する部分としない部分があることがわかります。
通過領域を調べてみたいと思います。

直線$${l}$$と直線$${x=2}$$ の交点について調べてみましょう。
交点の$${y}$$座標は$${y=\dfrac{t^2+1}{2}-2t}$$ …①です。
$${t}$$がすべての実数をとるとしましょう。
①は$${y=\frac{1}{2}(t-2)^2-\frac{3}{2}}$$ ですから、
$${y}$$は最小値$${-\frac{3}{2}}$$ をとります。
これは、交点の集合が、直線$${x=2}$$ の一部分 $${y\geqq -\frac{3}{2}}$$ (半直線) であることを示しています。

一般化して、
直線$${l}$$と直線$${x=x_0}$$ の交点について調べてみましょう。
交点の$${y}$$座標は$${y=\dfrac{t^2+1}{2}-x_0t}$$ …②です。
$${t}$$がすべての実数をとるとしましょう。
②は$${y=\frac{1}{2}(t-x_0)^2+\dfrac{-{x_0}^2+1}{2}}$$ ですから、
$${y}$$は最小値$${\dfrac{-{x_0}^2+1}{2}}$$ をとります。
これは、交点の集合が、直線$${x=x_0}$$ の一部分
$${y\geqq \dfrac{-{x_0}^2+1}{2}}$$ (半直線) であることを示しています。

したがって、直線の通過領域を不等式で表すと、
$${y\geqq \dfrac{-x^2+1}{2}}$$
この方法は、領域を縦に細かく切って、半直線の集まりと見ていることになります。

式の上では、
$${x}$$, $${y}$$, $${t}$$ の関係式である $${y=-tx+\dfrac{t^2+1}{2}}$$ の右辺を、$${x}$$を固定して$${t}$$ を変数としたときの$${y}$$とりうる値の範囲を調べています。
$${y=\frac{1}{2}(t-x)^2+\dfrac{-x^2+1}{2}}$$
3つ文字がある関係式はそんなに特別な存在ではありません。文字の役割を理解して、このような問題を解くことができます。 

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