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念願の再会が復帰戦✨5

試合会場に向かうタクシーに乗り込んでも、まだ彼が試合に出られるかは分からなかった。

ただ、五男君だけは、『はせがわみれるね!』
と、彼の復帰を信じていた。

沖縄出発から8時間

見慣れない奈良の景色に興奮しながら、到着したならでんアリーナ。何枚もの選手ののぼりが、私達を歓迎してくれているように感じた。

会場に入ると、眩しすぎる鮮やかな照明の下

バンビシャス奈良の巨大な横断幕を背に

真っ赤なユニホームとバッシュに身を包んだ

長谷川智伸選手がコートに立っていたのだ。

『ママ、はせがわがいたよ!はせがわー!はせがわー!』

会場では声を出して応援はできない。だけど私は五男君を制止できなかった。この日をどんなに待っていたか、痛いほど分かっていたから。
‥‥‥

『おかえりのぶ!』

試合終了後のHCの挨拶。この言葉を、一体どれぐらいのブースターが待っていた事だろう。

彼の復帰戦は、輝かしいものではなかったかもしれない。2戦目は、ファールアウトという苦い結果だった。

肩で呼吸しながら真っ赤な顔をして天を仰ぐ、

悔しさを滲ませながら

もっと出来たはずだと‥

ただ彼の復活は、チームをあつくし、五男君の目を輝かせ、大勢のブースターを感動の渦へと巻き込んだ。

満身創痍だった2戦目の試合終わり。

彼はもう歩く事さえも体力が残ってないように見えた。

しかし、コートには最高の笑顔で、全力でブースターに手を振る彼の姿があった。

もちろん、五男君にも。

長谷川選手の背番号6番の風船を持ちながら五男君は恥ずかしそうに笑っていた。

会場を出ると、奈良の風が沖縄と変わらない暖かさで、空はずっと繋がっているのだと感じた。

また、この場所に来よう‥

必ず‥

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