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かわいいのは親だけ

私の子供は私しか可愛くない

これは私が次男を連れてパートナーと同居するようになってから、いつも忘れないようにしていることだ。

私は次男が可愛い。長男も最高に可愛いが、長男はなぜか、可愛いより心配が常に上回る。どう考えても長男の方が、親を困らせることもなく、しっかりしていたのに彼にまつわる全てが私は心配なのだ。マイペースなところも少し抜けているところも、みんなが優しいと言ってくれるその性格ですらも、私は心配でならなかった。そこへきて圧倒的に手こずらせるやんちゃな次男は、欠点だらけで先生からも両親からも評価が低かったというのになんだか全部可愛いのだ。

この私の次男可愛さは、隠しているつもりではあったものの、パートナーとの同居生活で一番の火種になった。

次男はパートナーに対して、どうしてママはパパではなくこの男といるのだ、ぜったいにパパの方がいい!という気持ちを隠さなかった。何につけても

パパの方がすごい!!パパの方がかっこいい!と言っているようだったし

当時、リノベーションをすすめていた家で思いがけずすごい腕を持っていたパートナーは次々とウッドデッキや子供部屋やキッチンやお風呂を素敵にしていってくれたのにも関わらず

全然すごくない、全然良くない!という

拗ねた態度を崩さなかった。

実際に、前の旦那は基本家の中では何もせず、家のメンテナンスはもちろん子育てに協力的な態度を見せたこともなかった。多分、この時代にオムツ替えもしなかった男はあの人くらいじゃないだろうか。人間的に好きな人ではあったが、生活をしていく上での旦那のスタンスは私の心身をおかしくするのに充分だった。

そんな旦那を知っているので、常にマメに家の中のことをやり、動き回り、遊びにも詳しく、楽しいことを次々と考えるパートナーを次男も好きになっていることは知っていた。ただ、それをどうしても認めたくない、認めたらパパに悪いという葛藤が次男の中で蠢いているのは見ていて切ないくらいだった。

パートナーもその葛藤には気づいて、いろいろと接してくれていたが、次男のやんちゃぶりや、ガサツな行動に心底うんざりし、頭にきているのも見ていて辛いものだった。

そんな時だ。ゆうこりんの2人目の旦那が家を出たというニュースを見て、私は愕然とした。ゆうこりんも2人の男子を子育てしていたはず。何があったか知らないけどもしかして、私の子供は私しか可愛くないのかもしれない。

なにがあっても可愛い、という気持ちを共有できる相手はもういないのだ。私はその日まで何となく、私をすごく愛してくれるパートナーだから、子供のことも愛してくれると思っていた。でも、よく考えてみたらそんなわけないのだ。それを肝に銘じないと、この生活はぜったいに破綻する。そう感じた私は、母親の目線ではなく、他人の目線で次男を見るようにした。

うん。確かにひどいわ。

そこから、紆余曲折があり、幾度の喧嘩や話し合いを重ねて、ようやく次男も5年生になった。3年生の時に、「お母さん、この子はいいところありませんよ」と担任の定年近い先生に言われ倒れそうになった日もあった。そろばんでは、うるさくて周りに迷惑をかけていると呼び出され、クビになりそうなところを何度謝りに行ったか数えきれない。心を鍛えようとやらせていた野球で、監督を怒らせてしまい、この時代にビンタをされ、それをみていた周りの子供が、ショックと恐怖でやめてしまうという迷惑をかけた為、思い切って野球をやめさせて、好きなものや得意なものだけ伸ばす教育に切り替えた。口が達者だったので知識を備えさせようと、英会話や塾に通わせた事が功を奏し、成績もあがったことで自己肯定感が彼を落ち着かせたようにみえる。5年生の1学期の面談では、リーダーシップや周りの友達と協力して引っ張っていけると褒められて本当に涙が出そうだった。まだ、5年生なのでまだまだこれからだが、社会で誰かの役に立ち、自立した1人の人間に成長していく為に、全力でサポートしたい。母親ではなく他人の目線を教えてくれたパートナーには感謝してもしきれない。

こないだ、男の子3人育てる家庭のドタバタなドキュメンをテレビで見た。わがまま放題で、状況は身に染みるほどわかるけど、その子供達を全く可愛いと思えなかった。その時に、きっとパートナーはこういう気持ちでそれなのに、次男と向き合い続けてくれていたんだなぁと思った。

子供を一番に愛しながらも、愛してない子供に寄り添い 可愛がってくれるパートナーに感謝する

あっちをたてて、こっちもたてる

連れ子と一緒に暮らすことはけっして簡単じゃない

(女の子なら話は違うかもしれない。女の子の子育ては男の子の子育てと全く別の次元に存在しているのだ)

愛してなくても、いつかそこに絆は生まれる

それを愛と呼べる日もくるかもしれない。

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