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かわいがられる

大学院にいた頃や

大学で働いていた頃は

「可愛がられる」という言葉をよく聞いた。

「◯◯先生に可愛がっていただいた」という台詞を先輩から度々聞いたし

「ぬまがは、◯◯先生に可愛がられてるからね〜」というのもよく言われた。

不思議と大学を離れてからは、殆ど聞かない。

当時、専攻分野周辺の三大巨頭と言われた先生方のゼミ3つを学部と院で全て渡り歩いたこともあって

「全員に可愛がられてんじゃね〜よ」

と、先輩から物理的に突き飛ばされて吹っ飛んだこともあった。

二十代前半だった青い私には、三十半ばの大人が他人を突然突き飛ばすとは思いもよらず、驚いて思わず涙したけれど、それを見た別の先輩に「それくらいで驚いて泣くなんて、今まで随分幸せに育てられたんだね」と言葉をかけられてまたショックを受けたりもした。懐かしいな、か弱かった私。

可愛がる、って辞書では3つ意味が出てきた。

かわい‐が・る〔かはい‐〕【可▽愛がる】 の解説
[動ラ五(四)]1 かわいらしいと思って、優しく扱う。「子供を―・る」2 ひいきする。目をかけてやる。「ひいき筋に―・られた役者」3 (反語的に用いて)痛い目にあわせる。手荒く扱う。しごく。「そいつを―・ってやれ」

当時の「可愛がられてる」は「ひいきされてる」っていう意味だったわけだ。

自分では色々と実績作って頑張っているつもりだったけれど、実力以上の待遇と思われていたんだろうね。少ないポジションへの焦りがある世界。

最近、誰にも突き飛ばされてないのは

必死な人の輪の中にいない怠惰のせいか、

パイを奪い合う世界にいないだけなのか

やっぱりダラけてるからかなぁ。

そろそろ何か

ちょっくらがんばって

「神さまに可愛がられてんじゃね〜よ」って

いわれに行きますかね。

突き飛ばされんのは、いやだけど。





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