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『ミセス・ハリス、パリへ行く』〜人生はあちらとこちらで出来ている

小学生の頃、原作『ハリスおばさん、パリへ行く』は愛読書の一冊だった。

猪突猛進で夢を叶える元気で明るいハリスおばさんが好きだった。
大人になって映画館で再会した「ミセスハリス」は、酸いも甘いも噛み分けた素敵な女性で、相変わらず猪突猛進で夢を叶えていたけれど、夢と現実の行き来には、多少の痛みや苦味のあることを教えてくれた。

昔話で、主人公はあちらとこちら、彼岸と此岸を行ったり来たりして幸せを獲得する。

私たちの人生も常に、夢と現実、ハレとケ、期待と失望など、様々なあちらとこちらを行き来して前に進んでいく。

誰もが振り子のように
あちらとこちらで揺れているのは当たり前、と

そこにある苦味もまるっと受け入れながら
明るく夢を叶えるヒントが散りばめられた作品。

小学生の私と大人の私を行き来しながら
「ハリスおばさん」も「ミセスハリス」も
心に連れて
やっぱり今日も猪突猛進で行こう〜
そんな気分で席を立つ。

この世界は奇跡の連続で出来ていることも思い出させてもらって、映画館の外の世界がひときわ明るい。

原作も読み直そうかな。


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