梅雨草

空は雨　五月雨
季節の終わりを告げる雨
この雨がやむ頃に
空はどんな色で微笑むの

肩に寄り添い
歩いた路を
朱い蛇の目の花
咲かせ一人何思う

雨よ雨よ　心映して
抱いた思い出色褪せずに
ぽつりぽつり雫落として
濡れるこの小路

空は雨　五月雨
消えない記憶を辿る雨
行過ぎる人にさえ
懐かしさ重ねてしまう

あの日の雨

傘はあるけど
濡れて行こうか
そんなの嫌だわと
はしゃぐ私　笑う影

雨よ雨よ花を揺らして
朧げな景色を染めてく
淡い匂い雫に溶かし
何処へ届けるの

空は雨　宵の雨
優しく私を包む雨
なに気なく　さり気なく
滲む星隠してくれる

五月雨　宵の雨
悲しさ綺麗に流す雨
枯れるまで流れたら
青い空夢見て眠る

雨よいつか晴れよ