おぼんろ「メルリルルの花火」

どうも、水無月です。
わたしの大好きな劇団おぼんろの本公演「メルリルルの花火」が
4月17日~26日まで。9日間全14公演ありました。

待ちに待った本公演。発表があったのは去年の11月。
まだ世の中は普通の日常を送れていたころ。

私はこの発表を受け来年も物語の世界へ潜り込めるのだなとわくわくしてチケットを買ったことをおぼえています。

年が明け中国で新型の肺炎が流行っているというニュースが流れだしたころ。今年はオリンピックもあるしいろんなことがある年だなと思っていました。まだ他人事のようにおもっていた日常は2月末ぐらいから一変。

いろんなところでイベントの中止の発表のお知らせが入ってくるようになり、観劇を控えていた公演もマスクが必須というアナウンスが流れ始めていました。
3月末にチケットを取っていたコンサートが中止になり悲しい気持ちになったことをおぼえています。

数か月で当たり前の日常が一変するなんて。
もしかしたらこのままおぼんろの公演も中止になってしまうかも知れないと心の準備はしていました。

そして3月27日。公式からの発表でサテライト生上演をするという告知が発表されました。
発表されたときの気持ちはこちらに綴っているので良ければ読んでいただければとおもいます。

こんなご時世でも物語を紡いでくれようとする主宰の優しさにありがとうと何回もおもいました。そして公式からの動画をみて「参加者をまもらなきゃならない」という言葉に涙したのをおぼえています。

ですが、このあとも世の中はどんどん悪い方向へと進んでいきます。
緊急自体宣言により不要不急の外出自粛。
人と会うことすらも禁じられてしまった世の中。

こんな中で無観客での劇場公演も危うくなってしまう事態。
楽しみが目先になくなる現実をすごく突きつけられていました。
でも、おぼんろならというちょっとの希望を胸に抱いていました。

4月12日。公式からまたお知らせがありました。
それは上演形態の変更のお知らせ。
内容は9日間かけて1つの物語を上演するというもの。
アナザーストーリーも同時上映。
そしてそれを配信という形で行いすべてイイネ公演でやるということ。
(イイネ公演というのは見た後で自分の好きな金額を投げ銭という形で支払う方法)

この発表を受けたときの感想はこの状況下でも物語を紡ごうとしてくれること、なにより「約束」をまもってれてありがとうという気持ちでいっぱいでした。
その流れも動画が公式からあがったのをみてまた主宰の言葉に泣かされたのは言うまでもない。

そして、この決断をしてくれた主宰に感謝しかない。
参加者である私でさえもいろんな不安を抱えているわけで、
正直劇場にいって物語に参加したいという気持ちはすごく強くあります。
でも、そんなのきっとやる側のほうが絶対に悔しいし、この状況でこの形にして本当にできるのだろうかという不安とか恐怖とか絶対あったとおもいます。それでも上演することを決断してくれたことにほんとにもう言葉では表せないくらいの感謝をしたい。

いつもたのしませてくれてありがとう。

そして迎えた初日。
約束をしているのだというわくわくと共に私はPCの前にいました。
これから物語の世界へと潜り込むという高ぶった心は開演を劇場で待つ気持ちと変わりませんでした。

クロパジムンクルパジムン聞こえていますか?

聴きなれた声がした。
そこにはいつもの私の大好きな人たちの声がイヤホン越しに聞こえて勝手に涙がながれてきました。

目を閉じてください。
あなたは今森の中に立っています。

主宰の語りとともに想像力の練習をする時間。
いる場所はそれぞれ違うけれど、目をつぶり想像力をフルにつかって森をイメージするのはいつもとかわらなかった。
あの主宰の語りをきいて私はこれは本公演であり私の知っているおぼんろだとおもいました。みえないけどそこにいた(概念)
主宰の涙声にもらい泣きしたのは内緒。

そして、物語が始まりきちんと物語の世界へと潜り混むことができました。

ここからは物語のことを少し書いていきたいとおもいます。
今回の「メルルルの花火」という物語。

物語が完結した今の感想はこういうご時世だからハッピーになれる物語なのだなという印象。
末原作品をみてきたファンとしては残酷な儚さの中の美しさというものがいつもの感じだったから今回のラストはちょっと意外だなという印象があります。
きっと世の中がこんな状況だからというのもあって沢山書き直した結果あのラストになったのだと個人的にはおもっています。
正直に言うと誰かしら死ぬとおもってました。そのルートも主宰の頭の中にはありそう。

今回登場人物には心のよりどころが1人1人にあるなとおもってます。
いつもなら途中で誰かが死んでしまったり(だいたいお兄ちゃん)あるいは大切な人と闘わなければならなかったり。チル、メブキは母親を亡くしていますが、姉妹という意味での心のよりどころはあるので、設定的には重くないなという印象でした。

ただ世界観はやっぱり末原作品だなと思うところがめちゃめちゃあった。
まずメルリルルの意味の苗床。あれはOPの可愛いイラストと音楽に騙されているだけでだいぶサイコパスだとおもう(ほめてる)
そして花火の意味。末原作品をしっているので絶対きれいな花火のほうじゃないやばい花火というのはなんとなく想像していました。
参加者のメンバーと毎晩オンライン飲み会していたのでみんなで考察なんかも話あっていて花火の意味についても色々考察していたけれど、予想していた中の一番やばい設定がきて頭抱えた...
しかもその花火の描写がマジでえぐすぎて...想像力でイメージした私の頭の中はスプラッター系の映画のワンシーンみたいなのだったのでえぐかったです笑

そして今回の悪役がチルだったので、今回はめぐさんが悪役かと珍しくおもっていました。いつもなら大体さひがしさんが悪役なので。
物語は進むにつれて重くなっていくのが末原作品なので、強く生きようと思っていたけれどラストが誰も死なないでちゃんとハッピーだったから心のモチベーション的にはすごく楽ではあった。
個人的にハナザカリはすごく強い子だなとおもっています。
物理的に強いのはチルかもしれないけど、世間知らずのお嬢様みたいなあの天真爛漫さは物語の中でもいるだけで場の雰囲気が変わるのでハナザカリほんとにつよい。あとハナザカリの語尾がめちゃめちゃ可愛くてすきです。
感情移入の部分ではメブキに何回も泣かされました。
メブキの抱えていた秘密は普通のコト。大切な人と幸せになるって当たり前じゃないのだと実感させられた部分でもあります。
チルのやり場のない感情もしんどかったなぁ。
末原作品における「そっか。」というセリフ。あれはもうしんどいフラグみたいなもんでしかない。今回も「そっか。」に関しての詰め込まれたいろんな感情の多さに涙とまらんかった…

あと全体を通してメルリルルの花火の登場人物はみんなやさしいなって印象があります。
基本的に悪役はサイコパスな感じのイメージがあるので自分の目的のためなら手段を択ばないみたいなところあるとおもうのですが、この物語の登場人物は心がほんとにやさしいなぁとおもいました。
チルも結局敵を取らずにおわっていたし、その理由はヒトマカセは自分たちを助けてくれた恩人で敵はその兄だったから。妹の友人の兄を殺すというのはできなかっただろうし、殺していたら大切な妹であるメブキが悲しむともおもったとおもいます。

そして、アナザーストーリーのペズロウの幽霊たち。
もうこれが全部すてきなんだ...
個人的にはベタボレがめちゃめちゃすきなんだけど
ベタボレにとってのハナザカリの存在でかすぎる…尊い。
しかもこの話を知ったうえでの本編での回収よ。
お祭りが好きなハナザカリは曲芸をしている人を愛しているといってるんですよ。
このセリフきいたときのワイ普通に沸いた。
ベタボレは知らないだろうし、ハナザカリも知らないけどちゃんと存在をお互いしっているってだけでもうハッピーだろ...
たとえるならオタクが推しに顔覚えてもらうみたいなもんやからな(おい)
ハナザカリとベタボレは個人的な推しです。これはもう最高に組み合わせは好き...尊いかよ
塔のなかで友達に慣れていたらいいなとおもっています。
もしかしたらハナザカリの横にいつもいるゴーストはベタボレかもしれないとおもってエモさに悶える(頭抱える)

アクターさんたちのパフォーマンスの映像をみたらやっぱり生でみたかったなぁという気持ちはぬぐえないですね...
世の中が平和な日常に戻ったらきっとまたやってくれるとおもっているので、その時にみれたらうれしいなという気持ち。

メイキングの映像もなんかいも泣かされたしあれも本編だろっておもってました。
9日間毎日約束事がある日常最高に幸せだったなぁ。
語り部の会話劇シーンのわちゃわちゃはわたしの知っているおぼんろのそれだったのでほっこりしておりました笑

物語きちんと受け取りました。
本公演がおわっても私の中で。私以外の参加者も忘れないしきっと日常会話のなかで話をすることがあるとおもいます。6人と塔のゴーストたちはいつまでも生き続けます。

こんな世の中だけど、物語を紡いてくれてありがとう。
大変なのに楽しませてくれて心から感謝しかないです。
そして、おぼんろの参加者でよかったなとおもいます。
かかわってくださったスタッフさんたちも本当にお疲れ様です。
この公演をやりきったことに拍手。

合唱動画もだんだん厚みがましていくのすごかった。
私も参加させてもらいました。
歌ってすごいパワーがあると実感した。

一日でも早く平和な日常が訪れてまたみんなで物語を楽しめる日がくればいいなとおもいます。

キンキラキンのラブ沢山沢山もらいました。

ありがとう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?