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GGST天上階システムについて私が思ったこと

PS5を買ったは良いがソフトがないので何か買うか、で購入したGUILTY GEAR -STRIVE-という格闘ゲームにドハマリしまして、天上階と呼ばれる最高ランク帯に到達できるぐらいにやり込みました。

「天上階」とは、一部のプレイヤーだけが到達できる特別な場所という触れ込みで、初心者や中級者帯の明確な目標として機能しているエンドコンテンツです。

初心者の頃から憧れの場所でしたし、このシステムをとても魅力的だと到達した今でも思っています。

が、実際に到達できるようになると少し粗というか悪いところも気になってきてしまったので、個人的なエピソードと共に天上階に対して抱いている思いなんかを書いてみようと思います。

また、天上階のネタバレ要素(?)も多いに含むので、未達の方は読まない方が良いかもしれません。

私が天上階に到達する前は、天上階というところは、すごくストイックな人たちが集まり、やり込みの成果を試す場で、とても神聖なところだ、と漠然と思っていました。

実際に初めて天上階チャレンジを成功させた時の喜びは本当に大きく、オンライン対戦やアプデバランス調整になってからの格闘ゲームを全くプレイしていなかったので、最高ランク帯に到達できたのももちろん初。とても強い達成感と満足度がありました。ちなみに初めて天チャレを成功させた時のレベルは149(安定して天チャレに行けるようになったのは120台)、プレイ時間は230時間、勝利数は2200ぐらいで、多分遅い方だと思います。

更に天上階チャレンジを成功させた時にマッチングした2名のプレイヤーさんも既に天チャレ成功済みかつレベルも自分とはかけ離れており、明らかに格上。文句のつけようのない天チャレ成功だったと自負できる内容でした。

その天チャレをしている間は相当集中してプレイしていたみたいで、後でリプレイを見直すと「相手強いな」とか「よく自分こう動けたな」と思えましたし、自分の手足のように自在に、水を得た魚のように画面狭しと自キャラが暴れており、集中するあまり軽いトランス状態になっていたと思えました。

「格ゲーはやり込んだ人にしか見えない世界が用意されている」という言葉がありますが、水たまりのような一番浅瀬の部分だがそれがちょっとだけ垣間見えたような気がしましたし、私にとって天上階チャレンジ成功は本当に特別な経験で、天上階システムに心の底から感謝したものです。

しかし問題はその翌月に起こりました。

GGSTでは月が変わるとごく僅かの限られたプレイヤーを除いて天上階から10階に落とされてしまいます。

また天チャレからやり直さなくてはいけない訳です。天チャレを成功させる為の必要最低限、下限ギリギリの腕前しか持っていない天上階浅瀬民の自分にとって、先に書いた通り天チャレは本当に神経を使う緊張感のあるもので、昔シューティングゲームをプレイしていたのですが、ハイスコアが掛かっている時のようなプレイ、心臓はバクバク、息が詰まるような挑戦を毎月しなくてはならないことに気付きました。そして、再び成功させたとしても当然初回程の達成感も得られません。

ちなみにですがたまに「天チャレを成功させたらそれがゴールになって引退した」という声も聞きますが、私の場合は持ちキャラであるソル・バッドガイに心底惚れ込んでおり、動かすだけでも楽しいと思っていたので、引退は微塵もよぎりませんでした。苦楽を共にしたキャラクターとまだ一緒に居たかった。魂キャラという言葉がありますが、水たまりのような一番浅瀬の部分だが(略)

で、天上階チャレンジを続けているとある経験をすることがあります。「え?この相手天チャレ成功済みなのにめちゃくちゃ弱くない?適正10階、どころか9階ぐらいじゃない?」という相手とたまにマッチングするということです。

もちろんキャラの相性や戦略の噛み合いなども考えられますが、それでも適正9階ぐらいでは?と思えるプレイヤーさんは確実に一定数いると感じます。

何故これが起こるのか考えてみると、莫大なプレイヤーがいる訳ですから、適正9階なのにマッチング運だけで大当たりを引き続けて天チャレを成功させているプレイヤーが生まれてしまうのは確率としては低いですが、ないことではありません。

そしてそのプレイヤーが天上階の番人になるということはザルのように天チャレ民を天上階に上げてしまうので先のようなプレイヤーをねずみ算式に増やすことになります。

特に熟練度の低いプレイヤーが多く発生する新キャラ実装直後はこの現象が更に起こりやすくなるでしょう。

またもう一つの可能性として、これも予想でしかありませんが、天上階達成済みの友人に頼んで「やらせ」、もしくはコミュニティ内でお互いの実力を知ってる相手に暗黙の了解的な対戦で天上階に上がってしまう方法(養殖?)。これも一定数いるのではないかと邪推しています。

そして長く天上階にいるとそういったプレイヤーはR-codeを見るだけで何となく分かるようになります。その特徴はここではあえて書きません。

つまり神経を使わず楽に天上階に行きたければ、恐らくそうであろうというプレイヤー(更に用心するのなら、かつ得意キャラ)を見つけるまで、ひたすらロビー内を走り回ることになります。

だから「今日一番歩いた人」「今日一番ジャンプした人」に載るとハイエナ行為しまくってるみたいで何か恥ずかしいです。

この行為はメーカー側も認めいている行為で、不正でも何でもありません。でもやっぱり後ろめたさがない訳ではありません。

しかし、私がこのゲームをプレイする目的は「天上階に行くこと」ではなく「強くなること」です。

天上階に身を置いた方が上達が早くなることは間違いありません。今まで許されていた行動が許されなくなるということが山程ありますし、それ以外にも「気付き」のペースが格段に上がります。

なので、不正ではないのなら楽な手段でも天上階に行った方が良い、初回は正々堂々ちゃんと達成してる訳だし。というのが私の気持ちです。どうしても言い訳っぽくなってしまうのは、やはり多少の後ろめたさがあるからだと思います。

なので冒頭に書いた通り、天上階というところは、すごくストイックな人たちが集まり、やり込みの成果を試す場で、とても神聖なところだというイメージは今はだいぶ薄れてしまいました。

行ったことのない理想郷に夢を抱いていたが、いざ行ってみるとスリが多かったとか不正ギリギリのグレーな行為が横行していたような感覚でしょうか。

思い返すと私がGGSTのオンライン対戦に魅力を感じ、続けることができた理由の一つに「負けて失うものがない」という要素がありました。敗北数は記録されない、勝率も出ない、負けて部屋を強制的に移動させられることもない、ランキングは勝利数のみで競うから初心者でも十分参加可能。だから気軽に対戦できたし続けられた。負けてウデマエやレートを失うSplatoon2を長くプレイしていたので尚更です。しかし10階である程度勝てるようになると天チャレが発生し、負けて失うものが発生するようになりました。やっぱりこれは個人的にはストレスです。「失うものがあるなんて約束が違うやないか」と。だから早く天チャレを成功させてそのストレスから開放されたい、天上階で負け放題になりたい。

あとは例えば3回天チャレ成功させたらもう天上階への永住権をもらえるシステムにすれば良いのでは?とも思いましたが、それだと養殖で永住する人が増え更に天上階のレベルが下がるのでこれも現実的ではないでしょう。

そしてもう一つ天上階に上がってストレスを感じることは「天チャレ民と対戦しなければならない」ということです。自分も長いこと真剣に天チャレに取り組んでいたので、負けた時のダメージは結構大きいんですよね。負けたらまた10階に戻されて連勝しなきゃならない。だから目バッキバキにして来てる相手の気持ちは痛いほど理解しますし、その人に勝つのはやはり気悪いです。カイジの限定ジャンケンで「星1の相手に勝つのは自分の手で破滅に突き落とすみたいで気が引ける」のようなセリフがありましたがその感覚です。

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だから10階から天チャレに上がった人が飛ばされる部屋、部屋番号が大きい番号かつ入室プレイヤー数が少ない部屋にはできるだけ入室しないようにしています。

ここまで不満点のようなことも山程書いてしまいましたが、でもやっぱりトータルで天上階システムは好きです。

長ーい格闘ゲームの歴史の中で格ゲーマーってもうちょっとやそっとの理由じゃ自分を上級者とは思えなくなっていると思うんですね。

ネットを開けばeスポーツやトッププレイヤーの動画は見放題、掲示板やSNSではマウントを取られ、オンライン対戦では自分の上はいくらでもいます。

そうなるといつまでも自分を上級者だと思えない。

そしてそんな彼らが十分強いのに上級者と思えないとなると困ることが起きます。それは初心者が「鬼のように強いこの人でも中級者か。ここまで到達できる気がしないし自分には適正-センス-がないんだろうな」と辞めてしまうことです。上の人が上に上がって行かないと下がどんどん詰まってしまう。上手い人がいつまでも中級者名乗り続けるより、初心者が一定量頑張ったら中級者名乗れる方が絶対に良いじゃないですか。

だからメーカー側が本当は多少ハードル低かったとしても「ここに到達したら堂々と上級者名乗ってください」という場を決めてしまうのはとても画期的なシステムだと思うのです。

正直に言ってしまうと自分も上級者と思ったことは一度もありません。中級者、良くて中級者に毛が生えた程度だと思っています。天上階はある意味では到達点ですが、ある意味ではスタート地点です。

でも天上階システムのお陰で成功体験が得られ、努力が報われた喜びは本当に何物にも代え難く、私にとって天上階は本当に特別な場所なのです。

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