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『サンドウィッチの法則』
サンドウィッチが好きで、子供のころ、家でよく作った。
いつもお店の味にできなくて、何がちがうんだろう、と、母に怒られながらもサンドウィッチの中を開いていた。
小学生の時、サンドウィッチが美味しいのは、中の具材のカットの仕方(大きさ)と、並べる順番にあるのだと気がついた。
同じ食材で同じ大きさ、厚さにカットしても、はさむ順番をかえると、驚く程美味しくなくなる。
触感が変わって、時には水っぽく感じられる。
この時、サンドウィッチの法則に気づいたのだが、これは言わば基礎であって、もう「ワンランク上のサンドウィッチを作る」法則、なるものを発見した。
初めてパリに行ったときのことである。
パリのパン屋さんは、どこも美味しい。本当にハズレがない。至る所のサンドウィッチを食べ、この、ワンランク上のサンドウィッチを作る法則に気がついた。
パンの内側に、甘いジャムが塗ってあるのである。
野菜やお肉の入ったサンドウィッチにも、うっすらと、マーマレードジャムが塗ってあった。
これが美味しい。このひと塗りが、本当に美味しい。
これが秘訣なんだな、と魔女の隠し味を知ったようで、とっても嬉しかったのである。
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