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『夏の夜のお菓子』

今日のような、涼しい夏の夜を、オレンジ色の街灯の下を、ぽつぽつ歩いて帰ると、本当に美しい世界にいると実感する。
朝5時起きで、夜九時頃までずっと立ちっぱなしでも、疲れなんて吹っ飛んじゃうんだよね。

一人空を見上げながら歩いていたら、近所のおじさんが、

「おつかれさん、あ、ちょっと待って、」

って、どらやきを下さったの。

街灯の下を、どら焼き持って、夜道を一人歩きながら、それはそれは嬉しかったよ。

なにがそんなに嬉しいのかって、

なににそんなに幸せを感じているのかって、

この美しい世界が存在することが幸せであり、この美しい世界に、私が存在することが幸せでなのです。

みんなは、そんな風に感じないのかしら。

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