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庭師さんのお手伝いをしつつ考えたこと

冒頭の写真は、今日、庭の木を選定していたら出て来た、かわいい鳥の巣。
上手に枝に引っ掛けて落ちないようにしてあった。
ワサワサした木の方が、鳥が来て巣を作るから、全部の木を剪定しない方がいいなと思ったのでした。

で、本文です⇩

この2週間、時間があれば庭師さんについていっては
お客様のお庭の手入れをしていました。

私は実家の父母がせっせと庭で草むしりをしているのを傍目に、
全く興味も持てなかったし、今の家でも、広い庭を目の前にしながら
忙しいのを理由に、オットに草刈り機で刈ってもらうのみ。

それが、不思議なもので、この春から庭づくりを始めて以来、
毎日毎日、雨がひどいか、外出の予定がある日以外は、暑い日も寒い日も
芝生を刈ったり、花を植えたり、ずっと庭仕事をしていました。

そして、庭師さんのお手伝いでお客様のお庭の手入れも、
かなり寒い中、ひたすら落ち葉を拾っていたり、朝早くから暗くなるまで
掃除をしていて、肩も腰もパンパンですが、全く苦になりませんでした。

庭師のKさん(以降、親方と書きます)は、大学で日本庭園の造園を学んで、庭師の方のもとで修業され27歳で独立、その後、ヨーロッパでも庭づくりをして来られた方。
なので、手入れに伺う庭は、すべて日本庭園が基本になっています。

美しい苔の上に雑木の木漏れ日。すっきりとした空間。

木々の名前や性質を聞いたり、その庭のコンセプトについて教わりました。
学ぶことは本当に多く、特に親方は、考え方が柔軟で、こちらの話もよく聞いてくださって、そのうえで色々アドバイスもくださいます。

私は、こういった雑木と苔というすっきりとした庭は大好きです。
でも、日本庭園は、雑草はすべて抜いて落ち葉も拾って、本当にすっきりとした空間が魅力。
ただ、今の私の庭は全然違うコンセプトで作っていて、雑草ありき、の庭なので、またもここで悩んでしまう私に、親方が話してくれたこと。。。

あなたの庭は、すでにコンセプトができていて、すでに始めているのだから、そのまま進むと良いですよ。とても面白いと思う。木のことで分からないということだから、一度見に行きますよ。

と。

雑草だらけの庭を見せるなんて、ムリ!と思ったのだけど、
「今見ておいて、また次の機会にできることがあるかもしれないしね」ということで、仕事が早く終わった日、急遽、うちの庭に来てくださいました。

庭の木々を遠めに見たり、近づいて見上げたり、全体を見たりしながら、
「いや~~、面白いねえ!素晴らしいじゃない😊
こんな庭は見たことがないなあ。そこにスクリーンを立てて、ここにプロジェクターを置いてお客さんが座って映画を観るんだね。焚火もあって、いいねえ!このデッキのステージがここにあるのがいい。全体的に、ワイルドで、周りの風景に合ってて、これはこれでいいなあ!」

ともったいないくらいに褒めていただきました。

秋の自主上映会の設営風景
デッキの上にホットカーペット、yogibo、ソファなどを置いて
夜は焚火も焚いて温かく映画鑑賞

そして翌日、お手伝いに行った日に、
「最終日に行って、ちょっと手入れをしてあげるよ」と言ってくださいました。

🌳🌳🌳🌳🌳

「庭ってなんでしょう?」という私の問いかけに、
「外の部屋だと思う」との答え。「自分の部屋なんだから、自分が楽しい!好き!と思うように作ればいい。正解はないし、自分がそこでどう過ごしたいのか?ということが実現できるのが一番。日本庭園もいいけど、堅苦しさもあるから、mimozaさんの庭は、遊べる庭って感じが良い。あと、食べられるものがたくさん成る庭なのも良いね。思い通りにやればいいと思うよ。あとは、木の手入れとグランドカバーをどうするかだね」と。

井戸を掘って、水路を作って、ドラム缶風呂も作りたい、という話をすると、ますます面白がってくださいました。

「いろんな庭を見て来たけど、mimozaさんみたいな庭は、初めてだ~!」わはは!と笑っておられました。

そして、本当に手入れに来てくださいました。

67歳の親方の雄姿

この庭の良さについて話してくださり、それをどう生かすかを考えて剪定をしてくださいました。

この道40年の親方が、私の話をきちんと聞いて、柔軟に受け入れてよいところを伸ばす話をしてくださるのが嬉しかった。

造園の常識からすると、雑草と花壇の草花の共存はない。除草剤や殺菌は、必要に応じて使用するのも普通。

私はオーガニックな庭を目指しているので、そこがどうしても相いれないけれど、親方は、ワイルドでいい!と前向きにとらえてくださる。
来年の春に、「動いている庭」の自主上映会を予定していると伝えると、
「それは見に行きたいなあ。ぜひ、声を掛けてくださいよ」と、、、
なんて言うか、親方の人間性にいつも参ったなあ~🤗と思うのです。
結構すごい人なのに、全然そんな意識がない。謙虚?というか、自然体というか、すごくおおらか。

先日、奈良の大仏殿のある東大寺の近くの料亭に、いつも一緒に庭仕事をするメンバーをご招待くださいました。その料亭の庭は、親方が手掛けた庭。しっとりとして、古都の風情を感じる坪庭でした。
その食事の時に話しておられました。
「こんな場所で仕事ができればいいなあ、と思っていたんだよ。20代の頃には夢のまた夢だったのに、その夢がかなってねえ。ただただ願って、目の前の仕事を淡々としてきただけなんだけど、願うと叶うんだなあ!」

🌳🌳🌳🌳🌳

今年はあと一回だけ、お手伝いに行きます。

今後、私がどうしていくのか、まだわかりません。
ただ、庭を遊び場にしたい、という願いは叶っているので、今後ももっと楽しい庭にしていくために、日々手入れをしていくのだろうと思います。
あの人の笑顔、この人の驚く顔を見たさに。。。

かつての私、人の評価を得るために、目の前に人参をぶら下げられると、それが私の人参でなくても、ひた走るような生き方をしていました。

人の評価はどうでもいい、私自身の満足のために生きると決めて、本当に自分が望むことかどうか?ということだけを自分に真摯に問いながら生きていますが、では、「私自身の満足」とはどういう状態なのか?について考えていました。たどり着いた答えは、「誰かの喜ぶ顔が見たい」でした。
自分のためにやっているのだけれど、それが誰かが喜ぶことだったら、私の満足は倍増😆
結局、生きていることの喜びは、誰かを喜ばせたくてワクワクして、そして喜ぶ自分がいる、ということなのかなと思っていて、私は庭を通じてそれを実現したいと思っているのだと思います。






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