「FOR A GIRL」を読み返す

 自問自答ファッション教室を受けてみようと思った頃、ファッションの参考にできるかなと思って購入した本がある。
 それが「FOR A GIRL」(なんてすてきなタイトルだろう!)だ。スタイリストの大森伃佑子さんが装苑で連載していたものを本にまとめたのだそう。夢と可愛いと毒と異世界と、そんな「少女らしさ」がぎゅぎゅっと詰まっていてとてもすてきだ。

 元々ファッション誌を読むのは好きだったけれど、あまりスタイリストさんに注目したことはなかった。「あの有名スタイリストの〇〇さんとコラボした~~」とかファッションブランドの謳い文句で見ることはあったが、正直あまりピンときたことはない。けれど自問自答ファッションに触れて色々と勉強する中で大森さんのお名前を知り、この方のスタイリングは多分概ね全部好きだろうという予感がした。買ってみて大正解だった。ページを繰ると背骨の端の方がちりちりとする感覚がある。ああ、好きな世界だなぁと嬉しくなる。

 は~好き~! で終わってもよいのだが、アウトプットの練習&己の嗜好の整理がてら、特に好きだと思ったコーディネートについて考察してみようと思う(しかしこう、長い文章で自身の好きなものについて書くというのはむずむずする。私は私についてを語るのがあまり得意ではないらしい。自分のことなのに不思議ね)。

〇P17 生成に花柄のキルティングベスト?のコーデ
 私的可愛いポイントはまずベストの花柄。ちょっぴりシノワズリなテイストがたまらん。アーマーのようになっている肩から垂れる3種類のレースも大好き。

〇P26 黒コートに白スカートのコーデ
 コートの上にお利口に整列した金ボタンが可愛すぎる。コートの袖から溢れるボーダーのインナー、たっぷりした白いスカート。多分このコーデはバランスが好きなんだと思う。フェミニンとマニッシュ。

〇P33 黒?ワンピースと白パンツ?のコーデ(モノクロでわからん)
 狂おしいほど好き。このまま一度着てみたい。
 ちゃんと言語化すると、この民族衣装っぽいのが刺さっているんだと思う。現実にあるものではない、どこの誰のかわからないノスタルジー。これ、言語化できてるって言うのか?

〇P66 ショートトレンチケープと生成のフリルスカートのコーデ
 まずケープというアイテムが好き。フリルのスカートも好き。ベージュ系のトーンも好き。メンズライクなアイテムの間に流れるパールのロングネックレス、おもちゃみたいなでっかいファーのぽんぽん。うう可愛い。

〇P102 鹿の角コーデ
 好き!!! なんだけど、改めてよく見てみると服のコーディネートが刺さっているのではなく、どうやら頭に被った鹿の角が刺さっているらしい(なんで?)。

〇P105 黒いウールマントのコーデ
 これも架空の民族衣装っぽいけれど、少しだけ和風というか、オリエンタルなテイスト。華やかな花の刺繍、着物のように広がった袖のシャツ、ニットのパンツ? が可愛い。そういえば袖は大事かもしれない。中学生の頃買ってもらった、ベルスリーブの服が大層お気に入りだったな。

 ここまで並べてみるとある程度の共通点が出てくる。まず色。どうやら私の服に色はなくていいらしい。白黒生成で事足りる、というかそれが好きなんだな。特に心惹かれるのは生成らしい。そういやウェディングドレスも生成っぽい色だったと思い出す。ハレの日には正解を選べているのに、どうして日頃の衣服では間違いを選んでいたのだ私よ……(色んな色の服を着た方がいいと思い込んでいた)。

 次は生地。多分、どれも綿や麻のざらりとした質感のものだと思う。ドレスっぽい艶のある生地も嫌いではないけれど、どうやら今の気分ではないらしい。ただ顔周りはがさっとした質感のものよりもとろみのある柔らかいものの方が似合いやすいので、そこが少々バッティング。

 最後、やっぱりどうやら民族テイストが好きらしい。ただ、現実の民族服が着たいわけではなくて、要は物語の中にでてくるような架空のもの、というところがポイントなんだと思う。つまり現実から離れた空想のもの。浮世離れしていたい気持ちの現れかな……。

 取り敢えず今年の夏服は綿若しくはリネンで探してみよう。色は黒か紺。それからファッション小物も上手に取り入れていきたい。特にレースの小物と仲良くなりたい、が今年の目標かな。
 


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