100-103_悪役のエンディングは死のみ ネタバレ本編完結

「私、行きます」

私は決心したように答えた。

あれがある限り、けがをしても死なないだろう。

「気をつけて」

鉄塔の中はよりによって果てしない階段でできていた。

私は息を切らしながら昇り始めた。

あけられた窓の向こうに皇太子が竜にぶら下がったまま、揺れるのを時折目にしたが、努めて階段だけを眺めて走った。

ついに階段の終わりが見えた。

監視所として使われたのか、鉄塔の一番上は狭くがらんとした部屋一つだけだった。

イヴォンヌは穴のあいた窓の上に斜めに座り、興味深い表情で外を見ていた。

青い光を放つ鏡を大切に抱きしめながら。

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