もう一度、光の中へ_45-49[※ネタバレあり]
時には中数年経っても生々しく思い出すことができるものがある。
皇居の森の深いところ、一番日当たりのいい小さな遊歩道と、その中で馬に乗って走っていたあの子の姿。
長く上げて結んだ髪は腰の付近でゆらゆら輝き、光を込めた瞳は輝いていた。
やがてその子が私に走ってきて私の名前を呼んでくれた時、
「アルセーヌ!」
何も心配することがなく、何よりも幸せだったあの時代を私は今も鮮明に思い出す。
ここから先は
21,493字
¥ 150
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?