もう一度、光の中へ_50-54[※ネタバレあり]

半分眠りから覚めた。だからと言って完全に気がついたわけではなく、ただ声を聞けるにすぎなかったが。

ハイネン様のずうずうしい声が聞こえた。

「うん?何も言ってないけど?」

「嘘をつくな、分かる」

「うーん」

「あの子の気運を読んだから」

ハイネン様は何も言わなかった。どうやらルーン様が私を泣かせたハイネン様を追求していたようだ。

「警告するな。余計な接近を控えるようにしなさい」

「ルミナス、精霊王が引き続き精霊界ではなく、人間界に留まっているわけにはいかない。もちろん、留まった時間が短いとはいえ、君を見ているから君をすぐに戻ってきそうにない!」

「・・・・・」

「契約もしていない人間とつながり続けることも、精霊界のルールに反することだ」

「知っている」

「彼女は君にとってどういう意味なんだろう?」

ルーン様は返事をしなかった。

私もそれが知りたかったので耳を傾けていた。私はルーン様にはどういう存在なんだろう・・。

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