87-89_悪役のエンディングは死のみ ネタバレ
到着した邸宅の前庭は修羅場となっていた。
うごめくミミズがついているカマキリの魔物を見て身震いした。
馬車からリタ皇太子は、素早く護衛たちに叫んだ。
「3人は馬車を護衛して、残りは私に従え!」
彼は急いで私に体を向けて言った。
「公女、もう魔法は使わずに馬車の中にだけいてね。エカルト騎士団もいるし、魔物は最大限武力で解決するから。わかった?」
「はい・・・」
しかし私はイヴォンヌを探していたので、彼の望みが耳に届かなかった。
__どこにいるんだろう?
「公爵様!」
聞き慣れた呼称で、庭の片隅に公爵と執事が魔物に追われているのが目に入った。
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