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ドフラミンゴについて

ドフの幼少期めちゃ壮絶。なんとなくドフって、ロシーがいたから父親を殺したんではないかと思ってる。ドフひとりだったら現状を変える手段として殺し以外の方法も思いつきそう。

けど幼子ながら迫害されて、弟がいつも泣いてる。早く迫害から逃れなければ、弟がずっと辛い思いをしている。だから性急かつ効果的な手段を取る必要性を感じてたんじゃないのかなあ。

ドフが「生まれて初めて腹が減ったえ」「生まれて初めて痛いえ」って言ってる漫画のコマって、ずっとロシーと一緒なんだよな。自分が苦しい以上にロシーを守らないとって逼迫してたのではなかろうかと。

下々民に迫害されて、母親が死んで、天竜人にも戻れない父親の姿を見て「父親にロシーは救えない」って痛感して、そんなときにヴェルゴ経由でトレーボルと出会って、イトイトの実と銃を手に入れた。

だからドフは父親を殺したのかなあと思ふ。ロシーを殺すときに言ってた「なんでおれが実の家族を二度も殺さなきゃいけないんだ!」っていうセリフもあるし、ドフは喜んで父親を殺したみたいなサイコパスじゃないと思うんだよなあ。

貧しくて病気になった母親に拾ってきた食事を分け与えていたのに努力も虚しく母親は死んで、今まで論外なレベルで認知してなかった下々民に迫害されて、弟はずっと泣いてて、父親の嘆きが天竜人に拒絶されたのを聞いて……ってなると、自分で何とかしなければ現状は変わらないと思っていたのかなって。

お腹がすいたときも暴力を振るわれて痛みを感じたときも残飯を漁ってるときも、同じコマに父親の姿は描かれてなくてロシーとずっと一緒なんだよね。父親は病弱の母親を看病してたり、母親の死後はずっとうずくまって後悔したりしてたのかなあ。

でも多分、幼いドフの原動力は「ロシーを守る」って気持ちだと思ってて、だから実の家族である父親を殺すっていう手段を取ったのであろうと我は思うのである。同じ実の家族でも、父親よりも弟のほうが優先順位高かったのかなあと。

コラソンになったロシーがドフを「バケモノ」扱いしたのって、恐らくはセンゴクさんに拾われて、周りのすべてが海軍になったからだよな。

幼い頃って餓えとか暴力とかが突然襲いかかってきて混乱してて、ずっと泣いてて、兄が父親を殺したときも「兄が家族を殺そうとしてる」っていう事実だけが記憶に残ってて、兄への感情はそれほど残ってなかったと思う。

だけど、成長していくにつれて、迫害の記憶と、父親を殺した兄の記憶に「海軍」としての知識と価値観が組み合わさって、まあ、そりゃドフが「悪」になるよね。家族殺しって世間一般から見たら異常者のすることだし。

ロシーは幼い頃の情緒不安定感によって記憶と感情が一致してなくて、記憶に後付けする感じで感情を結び付けていったのかなって思ってる。

あとロシーがひとりでセンゴクさんに拾われた状況を考えてみたんだけど、時系列的にロシーも多分、ドフと一緒にヴェルゴとかトレーボルとかと顔合わせくらいはしてるんだよね。

だけど引っ込み思案だし、地上の記憶はすべて「迫害」で埋め尽くされてるからロシーにとっての絶対的な味方は父親と兄だけなはずで。ヴェルゴとかトレーボルとかとは心を通わせていなかっただろうなあと。

ドフとロシーがヴェルゴとかトレーボルとかと出会う

ドフがトレーボルからイトイトの実と銃を貰う

ドフが銃で父親を殺す

ドフは父親の首をマリージョアに持っていく間、ヴェルゴたちにロシーを預ける

ロシーはなぜ兄が父親を殺したのか理解できていない、ヴェルゴたちという怖い人たちのところに置いていかれてヴェルゴたちから離れる

センゴクさんに拾われる

天竜人に追われたドフが地上に帰ってきて、ロシーの不在を知る、ここで生き別れ(ドフめちゃパニックになってそう)

天竜人にも捨てられたことに、唯一の家族である弟が消えたことが合わさって、加えてトレーボルがマリージョアから戻ってきたドフを「王の器」と讃えたし、この辺からドフは天竜人の支配するこの世界の破壊に舵を切ったのかなと。

だから、ドフってすごく孤独だよね。唯一の家族であるロシーと生き別れてから、ドフは「王」として祀られて、すごく役割を果たしていた気がする。幹部を「家族」と言ったり、幹部から「ドフィ」「若」と呼ばれていたり。守る対象が実の家族からドンキホーテファミリーになった。

だから、ロシーと再会したときにコラソンに任命したりロシーを害したら誰であろうと殺すっていう血の掟を作るくらいには、実の家族であるロシーを大事に思ってるけど、ロシーが海軍のスパイで、ドンキホーテファミリーに害を為す存在だったと知ったら、ちゃんと殺す。殺したくて殺すんじゃなくて、殺さなければ守りたい対象に害が及ぶから殺す。

父親を殺したときはロシーを守りたくて、ロシーを殺したときにはファミリーを守りたくて。ドフはずっと誰かを守るために生きてる気がする。

ローの絶望を知って、右腕に推挙するくらいには相手の立場や気持ちを理解できる人だし、ローを攫って、オペオペの実を奪ったロシーは、もう殺す以外になかったんだろうなあ。

ギリギリまでドフはロシーを信じてた。ヴェルゴが裏切りの現場を目撃して報告を挙げてくるまで、ロシーを信じてた。だからロシーを殺したときの「なんでおれが実の家族を二度も殺さなきゃいけないんだ!」っていう言葉が本心からの絶叫に聞こえて辛い。

はあ。ドフは間違いなく悪なんだけど、悪になった理由が分かってしまう稀有なキャラ。優しいっていうより、長男気質。

苦しんでいる弟とかファミリーとかを守って、自分は苦しみを生み出す天竜人の支配する世界を壊す。天竜人の支配する世界でぬくぬくと暮らす下々民も殺す。

幼い頃に下々民から迫害されたドフは、下々民の本質を「凶暴性」だと思っている。その上で下々民は「虫ケラ」。けど世界に、理不尽に苦しめられた人間は「家族」だと言う。

珀鉛病という外的理由によって迫害されて世界を壊したいと思っているローは気に入るけど、ただの金持ちで何も苦しんでなくてただドフに憧れてるだけのベラミーは使い捨てるところとか、ドフの価値観がよく分かるよね。

ベラミーにシンボルは貸してるから、世界を破壊するための使い捨ての駒くらいには思ってただろうけど。

はあ、ドフ好きだわあ。

ロシーがコラソンだったときには髪を伸ばしてワックスで固めていただろうに、ドレスローザ編では坊主に近いくらいに短髪になってる。

多分、自分の手で殺したロシーを思い起こす髪型にはしたくなかったのかなあ。髪を伸ばして前髪を下ろしたらドフとロシーはソックリだと妄想してる。あと長髪は父親とお揃いになるし、それも嫌、みたいな。

でも父親も、本当に優しい人だったんだよなあ。自分が人を信じる人だったから他者が害意を抱くことを想像だにできなかっただけで。

父親ってすっごく「感情」を出す人だよね。下々民を差別しない柔軟性とか、迫害されたときに「子どもはやめてくれ! 自分だけにしてくれ!」って守ろうとしてたこととか。天竜人にも「子どもだけでも帰してほしい」って懇願してたり。彼なりに動いてた。その力が現状を変えるには不足してたってだけで。

父親は本当に本当に優しい人なんだよなあ。ただそれだけ。多分、母親も。だからドフもロシーも多分、優しさは持ってると思う。

けど状況が状況なだけにドフの優しさの種は「弟を守る→ファミリーを守る」に全振りした結果「世界の破壊」に落ち着いたし、ロシーの優しさの種は「優しかった父親が殺されてしまった」という記憶が海軍に入って「世界を守る、平穏にする」に変換されて「世界を破壊しようとする兄は、弟である自分が止めなければ」という決意に結び付いたし。

くっそ、なんだドンキホーテ家。結局、ドフの本当の家族は皆、死んだじゃないか。母親は下々民に殺されたようなものだけど、父親も弟も自分が殺した……えっ、闇深い。好きです。

ドフいいでしょ?? いいでしょ??笑笑

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