日赤病院血液浄化センターへ

術後観察で来院したらいきなり明日から透析始めちゃいません?と言われ、まあ特に今週急ぎの用事もないので、ええ、はい、いいですよと返事をした昨日の俺。どうせやらなきゃならないんだし、逃げてもしょうがない。

いつもと変わらぬ時間の流れの中で入院へと向かうことがはっきりするのは持ち物を買い揃えているときぐらいだ。それにしたっていまどきダイソーで全て間に合う。マグカップにタオル、病院の中でうろつくのにiPhoneや財布代わりのスマホを入れるのに必要だと前回学んだちいさなカバンは時節柄オレンジ色のジャック・オー・ランタンだ。なんならついでにペット用のコロコロテープも買ってこいと言われたぐらいだ。

前回帰りに弟に買ってきて貰ったでかいランドリーバッグへ着替えを詰めて、MacやKindleは別のカバンに差し込み、さくらを抱擁しつつひとしきりいつもの言葉を投げかけると車に乗り込んだ。弟もカツラも仕事で無理なので自分で運転していくんだ。とりあえずでかい駐車場へ突っ込みゃ後は駐車券問題なんか総合受付の姉ちゃんに泣きつきゃなんとかなるだろ。それで駄目ならまたなんか考えるさ。

車を止めてから正面玄関までの遠いこと!途中4回は休憩した。それはひとえに俺の体内の猛毒がそうさせているのだけれど。これほど体力が無くなっていたとは思わなかった。感謝支援センターで受付に座ったとき、情けなくも息が上がってまともに喋ることができなかったぐらいだ。

ここで一通り手続きを済ませ、血液浄化センター見学、そこで痛み止めのパッチを左腕の血管上に貼る。2時間ほどで効くらしいのでそれまで部屋のベッドが空くのを支援センターで待つが、そこで昨日とは話が違うことになっていた。リクエストしていた病棟とは別のところへ予定されていて、それに関して説明が何一つ俺にされていない。最初からこんなのでは幸先悪いと思い、結構きつめにクレームを入れた。が、事情があるのは判るのであくまでも最初だけのポーズで、後は折れる予定ではいたんだよ、もちろん。ココ重要!

なんだかんだ30分以上待ってから案内された病棟の4人部屋に入った途端、隣のベッドのじいさんが死ぬほど咳き込みだして止まらない。ナースは個室への希望はありますか?とシレーっと訊いてくる。こんなんじゃ夜眠れませんよね?と小声で言ってみたら思いもかけない提案が降って湧いて出てきた。二重扉の部屋があって個室になってる、差額ベッド代は発生しない。観てみます?と言われもちろん頷く。行ってみるとそこは隔離病棟仕様に作られている部屋で、まだ実際には使われたことはないという話。シャワーにトイレに洗面台までついてる!電動ブラインドも!難があるとすればドアの開け閉めにいちいち足元のスイッチを操作しなければいけないことぐらいで、そんなものあの咳き込みやいびきに比べたらなんの問題もなく、即座OKした。


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