Pico MotionTrackerについて

2024/9/25
PCVRでMotionTrackerを使う場合についてを追記しました。

普段はViveTrackerを使用している主観からの感想になります。
初めてこのTrackerを使う人とは印象が違う可能性があることを留意してください。

まだ4時間ほどの使用に留まっているため、使用感は変わる可能性があります。
また使用環境はPico4のため、Pico4Ultraとは動作が異なる可能性があります。


キャリブレーションについて

Pico4のMotionTrackerアプリを起動し、キャリブレーションボタンを押して案内に従うだけです。
パススルーモードになった後、まっすぐ正面を向いた状態をキャリブレーション後、MotionTrackerを視界に入れてキャリブレーションの2パターンを行うのみです。
MotionTrackerを視界に入れる際、Trackerがズボンなどで隠れる状態だと正常にキャリブレーションは完結しません。

PCVR時のTracker位置が各部位よりも下の方に表示されました。
MotionTrackerアプリで身長の設定がありますが、HMDの高さの位置を値とした方が正確なTracker位置になりました。
当方は164cmですが、MotionTrackerアプリの設定を154cmに設定することでかなりTracker部位が正しい位置となりました。

PCVRでMotionTrackerを使う場合について

スタンドアロンで使用する際にはネイティブに対応しているため、FBTキャリブレーションは不要でしたが、PCVRで使用する際にはVRCにログイン後にFBTキャリブレーションを行いトラッキング用の丸い球が各部位の位置に表示される様に合わせた状態で両手コントローラーのトリガーを引くことでキャリブレーションが完了します。

また、FBTキャリブレーションには2パターンあり、腕の長さを基準にするか身長を基準にするかの選択がありますが、基本身長を基準にしてください。
身長を基準にする場合には大体どのサイズのアバターであっても対応が可能なことが多いです。

キャリブレーション時に丸い球とアバターの部位との位置を視覚化することができるオプションがありますので、この設定を有効にしておくとアバターとトラッカーのズレを把握しやすいかと思います。
アバターの部位とトラッカーの丸い球が離れすぎていると緑色の範囲が大きくなりキャリブレーションの有効範囲を外れると消えてしまいますが、消えるほどの位置の場合、その部位はトラッキングされません。

設定の大メニューを開きトラッキングとIKにあるキャリブレーション時のビジュアルの表示をオンにするとアバターの部位とトラッカーの位置のズレを視覚的に見られるようになります。

アバターの部位とトラッカーの位置が近いほど正しいトラッキングが可能になります。

立ち姿勢について

一番不満が出ない姿勢かと思います。
軽い足上げや腰をひねって膝を上げるなども十分にトラッキングしてくれます。
足を交差する姿勢も問題なく行えます。
動きの癖もViveTrackerとそれほど大きな差は無いように感じました。

立ち姿勢で足がズレてくることはほぼありません。
むしろ無理な恰好をしてズレたトラッキングは立つことで修正されるのを確認しています。

座り姿勢について

座り姿勢についてPCVRでの使用では少しずつズレることを確認しています。

スタンドアロンでの確認では30分ほど座った姿勢をしていましたが大きくずれているような印象は受けませんでした。

スタンドアロンとPCVRには制御に違いがあるのかもしれません。

体操座りなどの恰好は一時的な座りであれば可能ですが、少しずつズレるのを感じました。
格好的にTrackerのIRを捉えられる状態に無いのでIMUの特性でズレるのは仕方ありません。

足を延ばして座椅子にもたれ掛かる姿勢はだんだんとズレていきます。
この姿勢もTrackerのIRをHMDのカメラから捉えられていないためIMUのみの動作時はズレが出ます。

椅子に座る状態はとてもきれいにトラッキングされるのでこの利用の範囲であれば何の問題もない様に思えました。
撮影などに利用するには問題なく姿勢をとれると思います。

寝転がる姿勢について

寝転がる姿勢を少し検証してみました。
2つ使用の方と3つ使用の自分で比べながら検証できたので差も見ることが出来ました。

2つの場合はの転がった直後はいいのですが、だんだんと足が沈んでいくのを確認しました。このズレの速度変化については使用環境下で変わる可能性があると思います。

3つ使用時は足が沈んでいかないのを確認しています。
腰があることで寝転がる姿勢が維持される様です。
布団などは掛けていないので、腰のTrackerをトラッキングカメラから外れた場合にはどうなるかの検証は行っていませんが、腰のあるなしで差があることは確認できました。

ただ何時間と長時間の場合にどうなるかまでは未検証です。

腰Trackerを使用した場合について

Pico MotionTrackerは3つ目のTrackerの追加が可能になっています。
販売は2個セットのみの為、3つ目を用意するには2個セットを2使う必要がありますので、必要に感じなければ無理に追加する必要はありません。

腰を追加した際の効果は腰を回転させるような動きが欲しい場合にとても有効に機能します。
腰がある場合腰の向きをちゃんと変えることができますが、無いと向きを変えられません。
普段の使用の範囲ではそこまで必要性があることも無いと思いますので、より厳密な動きが欲しいなどの場合以外は無理に導入する必要が無いくらいにはしっかりトラッキングしてくれます。
動きの参考は動画を見てください。

時間が取れた時に座った際など別の姿勢でも違いがあるかの検証もしてみようと思います。

3つ目を使う事で寝転がった姿勢が維持できることを確認しました。

精度について

トラッキングの主体はIMUで動作しているのでViveTrackerほどの精度はありません。
ViveTrackerほどの精度はありませんが、トラッキング性能は十分に高いと感じました。
ポーズをとって撮影したり座って雑談したりするには十分に没入感を満たせるデバイスであると思います。

ズレが発生してしまった際は、まっすぐ立つことで補正されます。
ただ立つだけで良いです。キャリブレーション操作も必要ありません。

IMU故に若干の滑りも感じますが、この精度のトラッキングが12000円で行えていると考えたら大満足でしょう。

一つ注意点ですが、FBT lockの項目は頭固定か腰固定のどちらかにしてください。
両方固定すると胴が伸びたり縮んだりぐにょぐにょした表示になることがありますので、頭固定か腰固定のどちらかにしてください。

3点目の腰を利用しての動きについては3つ目を入手した際に確認したいと思います。

他のTrackerとの組み合わせについて

ViveTrackerを腰として使い組み合わせてみました。
従来通りOpenVR-SpaceCalibratorを使用することで問題なく利用できました。

比較用
MotionTrackerのみでの動きです。

ざっくりと確認しただけですが、また3つ目を入手して確認が取れたら追記していこうと思います。

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