VR機器歴、使用機器の感想

2024/6/14 公開


HP Windows Mixed Reality Headset(コントローラー付き)

友人に使用させてもらってからVR機器はいつか自分でも手に入れたいと思っていた矢先、破格で入手出来たので買った機器。

WinMR機と呼ばれ、ほぼ同一のスペックの機器が多数メーカーから発売されたWindows標準対応のVRゴーグル。

スペック

ディスプレイ    2.89型 x2
解像度       2880x1440(1440x1440 x2)
視野角       100度
リフレッシュレート 90Hz
オーディオ     マイク、ヘッドホン兼用ステレオミニジャック
トラッキング方式  インサイドアウト

スペックだけを見ると、なかなかどうして今でもそこそこ通用しそうじゃないかと思えるかもしれませんがVRSNSを考える場合、絶望的にダメな機種です。

VRが自分の家にも来たと喜んだのもつかの間、トラッキング範囲が狭く頭の位置を超える辺りからほぼトラッキングされません。
コントローラーの形状も酷く握った状態が全く手にフィットせず無骨な四角い棒を握っている感覚が常に手に残ります。
それに加え、トラッキング用リングのLEDが白色で眩しいほどにひ光り、バッテリー消費も激しくあっという間に電池が消費されます。

レンズも小さく、スイートスポットも狭いため双眼鏡を覗いている感覚が強く、視野角が100度もあるのか???となりました。
とにかくちょっとズレるだけで視界がボケてしまうため、この点も非常に扱い辛く没入感の低い機種です。

とにかく自分としてはコントローラーのフィット感の悪さがとても没入感を削ぐ上に疲れるという印象が強く、こんなもの使ってられるか!!!となってしまい次の機種を探しました。

Oculus Rift CV1 + Oculus Touch

HPの機種から乗り換えで買った機種。

これでこそVR機器と思わせてくれる完成度でとても素晴らしい機種でした。

スペック

ディスプレイ    OLED ペンタイル x2
解像度       1080x1200(2160x1200 x2)
視野角       110度
リフレッシュレート 90Hz
オーディオ     ヘッドフォン一体型
トラッキング方式  アウトサイドイン

スイートスポットもそこそこありHPの物に比べたら全然楽でした。
視野角についてもHPの機種に比べたら十分に広く、何よりOLEDで発色がとてもよく、明暗も感じられ、やはりVRには有機LEDが最高だと思う様になった切っ掛けでもあります。
スペック的にHPのよりも解像度で劣る様に見えますが、周辺ボケなどは圧倒的にこちらの機種の方が少なく、使用していてストレスもなく発色もとてもいいとなれば、もう最高じゃないかとなった機種です。

次にコントローラー、手を脱力して軽く指が曲がった状態の手にとてもフィットする形状にトラッキングリングが下側にあるのでバランスもとてもよく握り心地がとても良いコントローラーです。
手を表現するコンセプトを元に作られただけはあります。今でもこのコントローラーがlightHouseに対応してくれたらどんなに助かるか、と思ったりします。

トラッキング精度もlightHouseと遜色無く、センサーも4つまで使用できます。2つでも対角に設置すれば360度トラッキングが可能でした。

本当に良く完成された機種だと個人的に思ってます。

PSVR

PCでも使えたら面白いな、と思い買った。

スペック

ディスプレイ    OLED フルRGB
解像度       1920x1080
視野角       100度
リフレッシュレート 90Hz
オーディオ     ヘッドフォン
トラッキング方式  アウトサイドイン(光点カメラトラッキング)

解像度的に低く言われ結構酷い物言いをされる機種ですが、OculusRift、ViveCEなどは有機ELでしたがペンタイルでフルRGBのパネルよりもドットが明確に違います。ペンタイル式の実際の解像度はフルRGBに比べ6,7割と言われるので、数値だけを見て叩いている印象が強いです。
実際の使用感的にもスクリーンドアの差はそこまで大きく感じません。

HMDのみで完結しているので、コントローラーは付属せずコンテンツについてもゲーム用コントローラーを使用するものとモーションコントローラーを使用するものに分かれています。
モーションコントローラーを使用するタイプについてはVR感が出ますが、コントローラーを使うものは物足りなさを感じます。
動画鑑賞などに使用したこともありましたが、実用度は少し低いかな、と。

PCVRに使えるのか、という話を最後に付けると、正式に対応したVR機器と比べると準備も手間も多く実用にするには程遠いと言わざるを得ないです。

OculusQuest

OculusLinkが発表されOculusRift CV1のステップアップに使用出来るかな?と思い購入。

スペック

ディスプレイ    OLED ペンタイル
解像度       2880x1600(1440x1600 x2)
視野角       100度
リフレッシュレート 72Hz
オーディオ     ヘッドセット一体
トラッキング方式  インサイドアウト

器用貧乏、これがPCVRのストリーム式のVRゴーグルの宿命だと使い始めは思ってました。
ストリームも安定しない、画質もイマイチ、ビットレート不足での映像破綻。

有線でも無線でも変わりなくビットレート不足。パネル性能も全く活かせていない。

スタンドアロンはSoCが非力でゲーム自体のクオリティもPCVR経験者からすればとても厳しい。

ゴーグル自体が重いのでフロントヘヴィで顔が痛い。複数のストラップを模索するも、後部ダイヤル式のバンドなどは耳にサイドのバンドが当たり長時間使用をすると耳が痛くなってとても使えなかった。
結局本体付属のバンドが一番良かった、という結果に。ただしカウンターウェイトは必要。

デバッグツールの存在を知り、エンコード解像度の設定を変更すると見違える程綺麗にはなった。ただビットレートが足りないが故に実用にならなかった。
使用していた時点ではRADEONでは100Mbpsまでしか上げられない制限がなぜか設けられていた。

コントローラーのタッチセンサーの挙動がCV1のOculusTouchと違い、ずっとトリガーに触れているにもかかわらず外れてしまう現象が何度も発生して、それがかなりのストレスでした。

トラッキング範囲はそれなりにあったが、手を真下に下ろしているとトラッキングが外れるため、これもストレスになった。

ビットレート不足とトラッキングが外れる点がアウトサイドインの有線機から移行した場合の不満点となった。

OculusRift S

OculusQuestがRiftのステップアップの代替えにならないとなったため追加購入した。

スペック

ディスプレイ    液晶 フルRGB
解像度       2560x1440(1280x1440 x2)
視野角       -度
リフレッシュレート 80Hz
オーディオ     ヘッドセット一体
トラッキング方式  インサイドアウト

やはりVRゴーグルは有線のネイティブに限る、と改めて思った機種。
パネル解像度的にはOculusQuestやViveProに劣る様に見えますが、その機種は有機ELのペンタイルのためスクリーンドアの具合的には差をほとんど感じません。これはペンタイルがフルRGBに比べ実際に視覚する場合に6,7割程になるためです。

ただ、そこは液晶故に有機ELの様な色鮮やかさ、明暗の表現は劣りました。やはりVRゴーグルは有機ELに限る、と思ったわけです。

OculusQuestほどフロントヘヴィではないにしろ若干のフロントヘヴィではありました。

解像度がそこまで高くないが故に、PCに求められるスペックもそれほど高くなく快適なVRゴーグルでした。

ただ持病があり、PCのUSBポートに直接接続して使用しているとマイクがガビることがあり、酷くなるとマイクそのものがダメになる症状を結構見かけました。
セルフUSB-HUBに繋ぐことで比較的安定した使用が可能になりました。

ネイティブ接続で比較的軽くなかなか悪くない機種ではありますが、液晶故に白っぽく感じ、有機EL機を経験していると物足りない機種ですね。

VivePro

OculusRiftCV1からのステップアップ目的で購入。

スペック

ディスプレイ    OLED ペンタイル
解像度       2880x1600(1440x1600 x2)
視野角       110度
リフレッシュレート 90Hz
オーディオ     ヘッドセット一体
トラッキング方式  アウトサイドイン

有機ELで発色もよく標準ストラップで比較的バランスもとれて完成されたHMDだと思います。
パネル解像度としてはOculusQuestと同じですが、視野角はこちらの方が広くネイティブ接続の映像の安定感も良好。
lightHouseのため、ベースステーションの設置が必要な点はありますが、トラッキング精度もとてもよく、ViveTrackerを使う場合のも余計なツールを使うことなく利用できるため楽でした。

途中からGear VRのレンズを使ったMODレンズに興味を持ち換装して使っていました。
HMDのレンズを外して交換するという物理的な手を加えることになるため、少し躊躇しましたが、一度使ってしまうともう戻れない程に視野が快適になりました。
フレネルレンズで発生するゴッドレイもなく、視野端までクッキリ綺麗に視線を追うことが出来ました。
今で言うところのパンケーキレンズと同等の環境でViveProを使うことが出来るようになったので、とてもおススメ出来るモノでした。
裸眼で使う上では元々の視野角とほぼ同等が維持できます。眼鏡などレンズとの距離が離れる場合は、元々のフレネルレンズより視野角は狭くなってしまいます。
解像度が4kであったなら、今でも使い続けたかった機種です。

残念な点を挙げるとするならば、マイク性能が低く外部マイクを用意した方がいいモデルでした。

Pimax 5K XR

ViveProからのステップアップを考えて購入…だったんですが、正直期待外れなモデルでした。

ディスプレイ    OLED ペンタイル
解像度       5120x1400(2560x1440 x2)
視野角       160度(対角200)
リフレッシュレート 85Hz
オーディオ     イヤホンジャック
トラッキング方式  アウトサイドイン

ViveProから移行すると非常に残念なモデルです。
視野角は広いのですが、縦解像度が低く、スクリーンドアはViveProよりも目立つ印象でした。
何より採用されている有機ELパネルの品質が低く、ダイナミックレンジがとても狭いVRとして映像を楽しむ部分が致命的にダメなモデルでした。
暗い側に調整すれば明るい側はすぐに白飛びし、明るい側に合わせれば暗い側は黒つぶれするというレベルで全然使い物になりませんでした。
ViveProの有機EL性能が高いが故に余計に気になった点でした。
OculusQuestとViveProの2機種のパネル性能はお互いに遜色のないものだっただけに残念感がとても強かったです。

視野角はとても広く、視野の広がりはとても良かったですが、有機ELパネルのせいで台無しだったため視野の広さが完全にスポイルされるくらいに使えないモデルです。
有機ELに釣られて買っただけにとても残念でした。
おそらくPimax 5KのモデルであればフルRGBである液晶モデルの方がはるかにマシに使えると思います。

Pico NEO 3 LINK

Picoのコンシューマー参入モデルです。

ディスプレイ    液晶
解像度       3664 x 1920
視野角       98度
リフレッシュレート 120Hz
オーディオ     サラウンドスピーカー内蔵
トラッキング方式  インサイドアウト

Quest2の解像度でネイティブ接続できるモデルが出る、ということで興味を持って購入。海外では3LINK購入者はPico4が25%割引で買えるクーポンが貰えたところもあったようですが、日本では何もありませんでした。

DP接続での画質はとても良かったですが、リリース直後はアスペクト比が正常ではありませんでした。比較的早い対応がされましたが、これくらいはリリース前に解決しておいてほしかったバグですね。

ネイティブの4k画質でとても鮮明な視界で素晴らしかったです。やはり無線では器用貧乏感がありますが、有線ネイティブ接続での画質の安定性は間違いが無いです。
3LINKを使ったことで尚のこと、ViveProが4K解像度あったらよかったのに、という思いが強くなったくらいには解像度の高さによる恩恵は大きかったです。
ただし、リリース当時はコントローラーにタッチセンサーが機能する状態にありませんでした。当時サポートに問い合わせて聞いてもタッチセンサーの実装は無いと返答されガッカリした記憶があります。
ただ、タッチセンサーについては、現行のFWアップデートで無線接続であればタッチセンサーが機能します。
この無線であれば使用できる、というのは公式アプリでもVDでも使用できました。DP接続の有線時は使えませんので、この点が残念なところですね。

Vive Cosmos Elite

一時的にお借りすることが出来たHMD

ディスプレイ    液晶
解像度       2880x1700(1440×1700 x2)
視野角       110度
リフレッシュレート 90Hz
オーディオ     ヘッドセット付属スピーカー
トラッキング方式  アウトサイドイン

液晶機では比較的ダイナミックレンジも広く綺麗でした。
パネル解像度自体はViveProから縦に100増えただけですが、フルRGBのためより鮮明に見えました。
明るい側のダイナミックレンジが少し低く、明るめな映像だと白飛び感はありましたが、発売された世代の機種に比べれば十分に綺麗だと思います。
フリップアップ機能もあり、HMD部分を跳ね上げることが出来るようになっています。
マイクについてもこの機種は問題が無く、ViveProではなぜこれが出来ていないのか謎です。
スピーカーについては初代ViveCEに取り付けられる別売だったオーディオストラップとほぼ同等の音質で個人的には悪くなかったです。

残念な点はPC接続する際にVivePortのインストールが必須でSteamVRにネイティブに対応しなくなったのは本当に残念の一言です。

このモデルもMODレンズ化が可能です。

Pico4

現在のメイン機

ディスプレイ    液晶
解像度       4320x2160(2160x2160 x2)
視野角       105度
リフレッシュレート 90Hz
オーディオ     ヘッドセット一体スピーカー
トラッキング方式  インサイドアウト

個人的にとても気に入っている機種です。
解像度の高さもさることながら、HMD全体としてのバランスも良くとても使いやすい機種です。

パンケーキレンズを普及価格帯のモデルにいち早く投入してきた機種です。
明確に1世代進化したVR機器だと示してくれたと思います。

液晶についてはダイナミックレンジも広く、明るい側から暗い側まで幅広く、発色にも癖が無いナチュラルなパネル設定で個人的にはとても好印象でした。
明るい側でVive cosmosでは白飛びしてしまうような場面でもしっかりと色を再現出来ていたのでパネル性能も高いと思います。
とはいえ液晶は液晶故に、明暗の表現的には有機ELとは別物ですね。
Oculus系のモデルは少しビビットよりに少し色が派手に感じる設定になっているようで、ぱっと見の見栄え的には多くの人に受けはいいと思いますが、自分は少し疲れるのでPico4のナチュラルな設定はとても好みです。
これをマイナスととらえるかは、個人差だと思います。

画質についてもVDでのGodlike設定を使える環境があるならばかなりの高画質でVRを楽しむことが出来ます。
公式のPico Connectは低画質にも強く超解像度+SD設定の場合にはVDのmedium設定以上の画質で楽しめる様になりました。
色味についてもガンマ設定が追加され好みに変更できる様になりました。

ビットレート設定においてはVDでh.264+が使用できるメリットが強く、150Mbpsで破綻してしまう状況でもh.264+の300Mbpsであれば免れることも多いです。
h.265の150Mbpsでも十分満足だという場合にはPico Connectの方が良好な画質で楽しめるかと思います。

スピーカーの音質に関しても申し分なく、個人的には十分にいい音で鳴るスピーカーだと思います。

マイクについても初期に適切な設定値ではなく酷い評価を受けましたが、適切な使い方をすることでQuest2と遜色ない音質のあるマイクだと判明しました。
現在もなおマイクについて音質が悪いという方を見かけますが、適切な設定をしていないことが要因かと思います。
公式のPCVR用アプリを使う際は初期値で使えば問題の無い音質で使用できるはずです。

おわりに

感想をかけるほど使用したモデルとしてはこれくらいですね。
いくつか使用していくと、あれはどうなんだろう、これはどうなんだろうと興味が湧いてしまった結果がこれです。
また他に感想を追加できるほど使用する機器が増えた時には追記したいと思います。

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