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AFC女子アジアカップ C組日本対韓国レビュー

この試合の見どころ

強度の強い相手・韓国とどのような布陣で、どのように戦うのか。ほぼ守備する場面のなかった2試合と違い、守備面の真価が問われる試合にもなる。好調の成宮は韓国相手にも力を発揮できるのか、要注目。

<先発選手の印象>

GK山下 84分のCKからの失点シーンはGKとしては非常に悔しいシーンだったと思うが、その後の90分に非常に似ている場面があったときに強気でキャッチしにいき、同じ過ちを繰り返さなかったことはメンタルの強さを示した。72分の韓国の決定機は、山下の反応の良さに助けられたビッグセーブだった。失点シーンは反省点があるものの、全体を通して、山下の良いプレーが大きな影響を与えた試合だった。

右SB清水 解説の大野さんも気にしていたが、良いポジションでオーバーラップしても、周りが使ってあげないシーンが多かった。清水自体は良いプレー・良い判断を試合を通して行っていたが、周りがうまく使えていない。

CB熊谷 フィードのパスミスが何度かあった。猶本が蹴るCKのターゲットになることが何度かあった。25分の猶本からのCKを競り勝ったヘッドはさすがだった。

CB南 24分の最終ラインのパス回しGKへのバックパスの判断は非常に良くなかった。セイフティーな判断をするべき時だったと思う。16分の植木へのロングフィードは良かったが、もう一段階スピードのあるボールを出さないと韓国には通じなかったようだ。

左SB三宅 先制点の起点となったダイレクトボレークロスの判断、だけでなく、全体を通してミスもあったが、攻守にわたり早め早めの判断が好印象。33分のダイレクトで前線に出したシーンはその象徴。

ボランチ猶本 中盤で多くボールを触り、大きなミスはなく、及第点の内容だったとは思うが、全体的にどこか弱気な印象だった。パスも弱かったり、CKのボールも質があまりよくなかったり、プレーの切れ味が今一つな印象だった。

ボランチ長野 中盤で良い判断と安定感のあるプレーでチームのひとつの軸となることができていた。韓国からも警戒され、ハイプレッシャーを受けていたと思うが、それを逆手に取ってファウルをもらったりすることもできていた。

右MF成宮 全体を通して出足が早く集中してゲームに入れていた。57分頃、熊谷から絶妙なポジショニングでボールを受けるシーンがあったが、その後のパスの質が悪かった。

左MF宮澤 コンスタントに1試合通して攻守に渡って闘えている。55分のロングボールのトラップは神がかっていた。きちんと長谷川につなげてチャンスメイクした。ドリブルやシュートの勝負所でのシーンでもっと強気のプレーが見たい。

FW長谷川 韓国から複数人のマークを受け、攻撃面での良さは消されていたが、25分のCKからの熊谷のヘッドをフリーの状態で詰めたシーンがハイライトか。前線からのチェイスで守備面ではかなり貢献していた印象だが、そのチェイスを生かして後ろの選手がボールを奪いきるような連動性というところまで到達できていないことにいら立っている様子だった。34分の戻りながらのカバーのシーンはさりげないプレーながら読みの鋭さを見せた。45分の詰めていた南へのクロスの質は良かった。

FW植木 開始早々、三宅からのロングボールを相手DFの前でカットするように受けて強気でゴール前まで持っていきGKとの1対1も完勝、ストライカーらしい見事なゴールだった。59分のCKのヘッドも頭一つ競り勝っていた。ゴールを決めそうな怖さのあるプレーができる選手だと感じた。

<交代選手の印象>

FW田中 66分のプレスバックでボールを奪ったプレーは良かった。73分のファウルは余計だった。

ボランチ隅田 82分のファウルになってしまったプレー(それほど悪質ではなかった)の印象以外は残らかなかった。

右SB高橋 短時間ながら、93分の全力のオーバーラップ等、1-1の試合のクローザーとして投入された意味をしっかりと理解したハッキリとしたプレーで役割を果たした。

まとめ

グループリーグ首位通過の結果を残すことができた試合となった。試合早々のリードを優位に生かして勝利で終わることができなかったことは試合運びとして反省点が残る。それぞれに1対1の勝負では闘えているが、連動して奪いきるシーンが非常に少なく、課題が残った。攻撃面では、両サイドバックのオーバーラップがもっと生かされるシーンがあれば分厚い攻めを展開できたと思うのだが・・・。チーム全体の意思統一、一体感といった面も物足りない内容だった。

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