ユニコーンに救われた②
アルバム『服部』のインパクトはすごかった。
音楽でこんなに遊んでいいんだ!っていうのがボクの正直な感想であった。
音楽は自由でいいんだ。
なんなら仕事だってもっと楽しんでもいいんだって思えたのは、もう少し後のことであったが。
次のユニコーンのアルバムは『ケダモノの嵐』だった。
これは『服部』にさらに輪をかけて自由で、楽しいアルバムだった。
アルバムをトータルで見て、1曲1曲ピックアップしても聴けるという点では、『服部』をさらにパワーアップしたようなアルバムである。
「働く男」、そして「命果てるまで」のミュージックビデオはちょっとエッチで大人な感じだった。
特に「働く男」はサラリーマンの応援ソングを作ろうとしているんだなと感じた。
やはり、「ぼーくはいつもひとりきりーふろにはいってねるだけー」というフレーズは秀逸で、いまだに独身でひとりのボクはこのフレーズが時折脳内に流れる。
そうしてひとりきりなのはボクだけじゃないんだと感じて、少しだけ癒される日々がもう何年も続いているのだ。
ボクの生活はユニコーンとともにあると言っても過言ではない。
「せめてゆめのなかででもーきみにあいたい」
きみって誰だ?
きみはどこにいるのか?
ユニコーンの魅力は、バンドのメンバー全員がボーカルをとることだ。
このアルバムでは初めて、川西さんとテッシーさんがボーカルをとり、全員が歌っているアルバムになった。
その点もユニコーンの醍醐味である。
そして、もう1曲、シングルになったのが、「スターな男」である。
これも大好きな曲だ。
最後に一人ずつソロをとるところがとても楽しそうでいい。
やはりユニコーンは楽しい。
あと手島さん作詞作曲の「自転車泥棒」もいい。
歌詞の内容はともかくとして、ノスタルジックな雰囲気さえある、秀作で、ユニコーンのフォーキーな面も新しい魅力になっている。
かと思えば、同じアルバムに「CSA」が入っているのも面白い。
のちに「SMA」になるわけだが、会社の住所、電話番号、会社名を歌にしてしまう、まさに「社歌」である。
ホントやりたい放題。自由奔放。
楽しくて仕方ないアルバムだ。
まさに『ケダモノの嵐』はユニコーンの絶頂期のアルバムといってよいだろう。
オリコン週刊アルバムランキングの1位も獲得したと思う。
また、レコード大賞のアルバム賞にも選ばれたと思う。
まあ、そんなことは後付けであって、何よりもこのアルバムは楽しくって、ずっと聴いていたい、そんなアルバムなのだ。
しかし、そんなユニコーンにも少しずつ変化が訪れることになる。
つづく
お読みいただきましてありがとうございました。また次回、お会いできればうれしいです。
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