#逆キャトルミューティレーション
空に牛が浮かんでいた頃の話
空に牛が浮かんでいた。白と黒の、いわゆるホルスタイン種。多分僕の隣にいたおじいちゃんを食べてしまったのだろう。最近の牛は逆ヴィーガンの傾向にあるらしい。僕の手には何にも繋がれていない首輪が握られており、それが季節外れの日差しにジリジリとよく焼かれたコンクリートの上に、だらり、と垂れ下がっているだけだった。
「ただいま」
帰ってきた僕を見て母が
「おじいちゃんはどうしたの?」と聞いてきた。
空に牛が浮かんでいた。白と黒の、いわゆるホルスタイン種。多分僕の隣にいたおじいちゃんを食べてしまったのだろう。最近の牛は逆ヴィーガンの傾向にあるらしい。僕の手には何にも繋がれていない首輪が握られており、それが季節外れの日差しにジリジリとよく焼かれたコンクリートの上に、だらり、と垂れ下がっているだけだった。
「ただいま」
帰ってきた僕を見て母が
「おじいちゃんはどうしたの?」と聞いてきた。