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プラダを着たい、悪魔

生活費やら医療費やらで頭を悩ませているんだけど、全てが嫌になって「プラダを着た悪魔」を久しぶりに観た。わたしの英語のバイブルだ。と言いつつ、英語は驚くほどできるようになってはいない。"That's all."は覚えた。昔通っていた英語の先生に褒められたなあ。

この映画を見るたびに、最初から最後まで働き方には感情移入できないなと思う。それでもアンハサウェイが可愛すぎて観てしまう。映画に出てくる職場がファッション誌の出版社なので、自分のファッションにも思いを馳せる。

マルトリートメントな家庭あるあるなのだけど、自分の女性性を親に否定された経験が私にはある。多分親にしてみれば取るに足らないなんだとは思う。心のうちをすぐ口に出してしまうというだけで。

諸事情で体重が増えてしまったわたしだけど、昔は痩せっぽっちのガリガリで体のラインを出すことが嫌で嫌で仕方がなかった。「骸骨じゃん」とか「摂食障害なの?」って言われるくらい。驚くべきは大人になってからも面と向かって言ってくる人がいることだ。まあそれは置いておくけれども。

肉付きが良くなってからは、いわゆる女性らしい服装の方が似合う(と言うかダボっとした服装だと富士山みたいなシルエットになってしまう)ので、嫌でも服について考えなければならなかった。女性らしい服装とは、いわゆる体のラインに沿ったタイトな服だったりする。性被害に遭ったのに自分の体のラインを出すのはすごく嫌だった。でも、すごくきれいに見えた。そう思うのは初めてだった。

アンハサウェイの変身した姿を見るたびに体温が上がる気がする。ぽっと火が灯るような気がするのだ。自分が美しい戦闘服に着替えて周りを混乱させるなんて最高じゃないか。画面の外にいる自分も少し勇気をもらって、クローゼットの中の戦闘服を整理するのだった。

わたしもプラダの鞄が欲しい。
ジミーチュウの靴はもっと欲しい。

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