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透明

いつから会えないのが当たり前になったのか
いつから存在すらも疑うようになったのか
いつから、いつから

知らない間に、気付かない間に
たくさんのものが見えなくなって
私の前から、彼らの前から姿を消した

元々形のないものは、 
形のある人間が手探りに
確かめながら大事にしていた

信頼

愛情

どれも目には見えなかったものたち
目に見えないものは
前よりずっとずっと見えなくなった、矛盾だ


人との繋がりはあっという間に、
瞬きの合間に離れていった
あんなになければならなかったと思っていた
1人では何も出来なかったと
たくさんの思い込みが崩れた日

自分には何が残ったのか
自分の気持ちはどこに居るのか
わからなくなった日がある



彼らの仕事は人に会うことで成り立っていた
多くの人はそう、だけど彼らは人が居なければ
ただ広い空間をより一層広く感じてしまうだろう

音が壁に反射して返ってくるみたいに
彼らはその壁を失った



見えていたものが見えなくなった日
そんなふうに形容して正しいだろうか
そんな正しさは今は必要ないのかもしれない
ただ、日常生活が一変したことは確かだ

人と向き合うことで成り立っていた
あの生活は、彼らの仕事は
ここ数年で先の見えない暗闇に
急に放り出されたようなものだ



無観客、有観客、オンライン、オフライン
そんな言葉が生まれる必要は
今までは無かった
今までは

きっと彼らが1番知っている
暗闇の中がどんな世界だったのか
どんなに声をあげても
どんなに目を凝らしても
目の前には何も無かったのだ

私は大学生で、もっと言えば教育学部で
このような状況になってから
見えない相手に向かって授業をすることが
夥しいほどに増えた

人と人との交流が無くなることは
鏡が無くなったのと同じで
相手の姿が見えなくなるのと同時に
自分の姿も見えなくなるのだ

自分がどう見えているのか
全くと言っていいほどわからなかった

「愛されているかどうか確信が持てなかった」と話した
テヒョンさんの気持ちが少しわかった気がした


私は彼らが自信を持って
「愛されている」と感じて欲しい

見えなくなった壁に向かって
会いたいと、愛していると、
ずっと、本当にずっと
彼らは叫び続けていてくれたのだから


最近少しずつ壁が見えてきたように思う
LAで行われた有観客のコンサートの日から今日まで
透明になってしまった壁が
少しずつ色付いていくのを感じる

本当に少しずつだ
気付かない間にまた、透明になっていたりする
近付いたと思った壁が蜃気楼みたいに
触った瞬間から幻だと気付くのだ


3月10日から始まったこの
Permission to Dance on stage in Seoul

声が出せない中での有観客コンサート

小さな一歩が大きな一歩になる日は
もうすぐかもしれない

2年半ぶりの自国開催
彼らから溢れ出ていたあの幸せそうな表情を
私は忘れないだろう
目は口ほどに物を言うというのは
まさにそうだった
言葉以上に伝わるものが確かにあった

画面越しの私にも
ソレは十分に伝わってきた


彼らが運んできた春が
どうか、芽吹きますように

どうか、「おかえり」と言わせて
どうか、「会えたね」と言わせて

彼らが花道だけを歩けるように
躓いたり、道を見失わないように
照らし続けるよ

歓声に包まれる君を
私は見たいよ

誰がなんと言おうと、
君が世界で1番眩しい星だよ


220311

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