今日のみかちゃん 1/15/22

病院ベッドがが届いた日

小さい時からインテリアにとても興味があり暇があると子供部屋の模様替えをしたり子供ながらの夢の部屋の設計図を描いてみたりしてた。お小遣いは部屋の飾り付け用と本に費やしていた。
当時「私の部屋」というインテリア雑誌があり毎月それを買って毎ページを丁寧に読むのが楽しみだった。それと同時に映画雑誌のロードショーも毎月買って、映画の筋や映画自体より、背景に見える部屋を観察、研究していた。

その頃夢中になってたのは「スティング」や「卒業」。気がついていたのは、映画の写真にひんぱんに出てきていた真鍮のヘッドボード。ピッカピカの金じゃなくて少し燻んでたり、黒ずみた物。なぜかそれに憧れてた。その時私が寝てたのは2段ベッドをばらして一段ベッドにしたもので憧れてたフカフカそうなベッドとはかけ離れていた。

商店街にある家具屋やデパートの家具売り場を片っ端からさがしてみたが、その頃の田舎街にはそんなエキゾチックな物は無かった。

それで思いついたのが病院用のベッド。もちろん真鍮ではない。でもヘッドボードの形が似てる。それを金のペンキ塗ればそれらしくなるんじゃないかと。。。どこで業者を見つけたかも忘れたが、数年貯めてた貯金箱からほとんどはたいて、念願のベッドを購入。

配達の日、母が玄関の外でトラックの後ろに縦に積まれた病院ベッドと遭遇。今考えると相当ショックだっただろう。近所の人にどう見えただろう。。

幸いにも私の部屋は一階だったため苦労せず新しいベッドが入った。ヘッドボードやフレームはガッチリとしたスチール。灰色がかったクリーム色に塗装されていた。数日後、私は張り切って金色のスプレーペンキを数缶買ってきて、自家製の真鍮ベッドが完成したわけだ。

私が家を出たあとも長年実家にあり、処分に困ったそうだ。

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