となりん家のわかめちゃん

家 わかめ という言葉を見て、あのサザエさんを思い浮かべた人も多いのではないだろうか。

サザエさんちのわかめちゃんではない。
安生さんちのわかめちゃんだ。

奉還町4丁目にふと現れる、というか住んでいる、わかめちゃん。
黒と灰色と、この種類の猫はなんという種類の猫かは忘れてしまったけれど、地元の家の近くでもよく見た、あのしましまの感じの猫だ。

毎日この時間になると、隣のうどん屋安生から聞こえてくる、
「わかめ、ほらおいで」
「・・・」
「わかめ!!」
「・・・」
のやり取り

お向かいのピンクと紫のお花が植わっている鉢のそばに座る。
尻尾をフリフリする。
あの、大縄跳びで「郵便屋さん落とし物」をやるときの縄の動きみたいだ。

「行かないよ」
「知らんし」
「聞こえてないし」
と言わんばかりのそっぽ向き加減。

ついに茶髪の兄ちゃんに抱きかかえられる。
「ニャ」と一声。

わかめちゃんに出会えた一日はなんだか「幸ポイント」が5倍くらいになる。
でも、触れそうで、なかなかさわれないのがわかめちゃん
その距離感くらいがちょうどいいのかもしれない。

「あら、わかめちゃん」
「ほらわかめ」
「わかめちゃん!」
と近所の人に親しまれているわかめちゃん。

もう完全に奉還町のアイドルだ。
まさに「看板猫」
ときどきお客さんいるときに中に入ってきちゃったりする。
自由で気ままなわかめ氏。

名前の由来はやっぱりわかめうどんなのだろうか。


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