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半年間を振り返って

現在トーゴ行きの関西国際空港のマックで野菜ジュースを右手にこれを書いている。

去年の夏頃から2/28までの約半年間、瀬戸田インターン全体を通して感じたこと学んだことは数えきれない。
駆け足になってしまうが、その中でも主に4つを記したいと思う。

①継続性

12月の後半ごろ。

小林さんとお話していて、気づかされた、このツアーにおいて一番大事だともいえること。「継続性」

地域に関わったり、考えていくには「継続すること」が不可欠である。
ツアーもそれ以外のものも、一回キリのイベントで終わらせることは簡単だが、それをどうまちに落とし込んでいくか、まちに還元できるかを考えることが大事。

何度も継続的に実施することで、まちの人にも「あの人たちが来る季節になったね」と一部として認めてもらえるようになる。

自分たちが関われなくなった後でも、まるっきり同じ形ではなくとも取り組みを、仕組みをぐるぐる回していくことで、経済的にも社会的にもその利益が地域内に還元されてくるのだと思う。

長期的な視点で考えてこそ、まちづくり。

②既にあるものを「編集」すること

ツアーの企画を考えているとき、小林さんからアドバイスをもらったうちの一つが、既にあるものを編集する、ということ。

その地域に存在する資源をいかに編集して、組みかえて、「魅力」へ変えられるか。

例えば、ツアーにおける商店街の人との会話や挨拶、永井さんや祥子さんのガイドツアー。
瀬戸田に既に存在している様々な人を繋ぎ合わせる「編集」の力によってツアーは成立していた。

既存の「レモン」という資源一つをとっても活用の仕方、編集の仕方は無限にある。
編集、組み替え方によって引き出される魅力や参加者へ伝わるメッセージは変わる。

この「編集する」という考え方は、今後自分が岡山で働く際も重要になる考え方である。

③自分で外に動くことも大事

瀬戸田に来てから10日ほどたったころから、SOILの外へ、まちに繰り出し始めた。

最初はがちがちに緊張していて、商店街のお店には入ることもできなかったし、話しかけるなんてまるでできなかった。

だけど、ぐぐっと踏み込んでお店に入り、お店の人と話してみると、一気にまちの日常に少しばかり溶け込めた気がした。

平日の昼下がりに、ストーブに当たりながら、みかんを頬張りもらったヤクルトを飲み、方言レッスンが始まる。

なんでもない瀬戸田の風景に少しだけ自分が溶け込めた気がして、また新たな瀬戸田の魅力を、一面を知れた気がして
次第に瀬戸田が好きになっていくのを感じた。

いくら瀬戸田の人は外の人にオープンだからといって、受動的なままじゃなにも始まらない。

自分でドアを開けて、一歩まちの中に溶け込んでいく努力が必ず必要だと気づかされた。

これもまた、岡山を始め、これから自分が関わっていく地域で実践していこうと思うこと。

岡山の話で少し脱線するが、
岡山にも同じように、奉還町商店街という商店街がある。
けれど、瀬戸田とは違って、ある程度「都市」だから瀬戸田のように顔の見える関係性が希薄な部分があると思う。

けれど、まちの規模の大きさに関わらず、自分で切り拓いていけばまちの人との関係性を深めることは可能だと思う。

そのまちのことが好きだから、そのまちのことをもっと知りたいから、
人と話すことが好きだから。

商店街の人と話してみたり、また地域の歴史を調べたり、そのまちについて主体的に知ろうとする姿勢はこれからも大切にしていきたい。

④変化しつつも変わらないまち

広三さんとお話していたり、自分で商店街を歩いてみて強く感じたこと。

「瀬戸田は、このまま変わらないでいてほしい」ということ。

それは完全にまるっきり同じというわけではない。
時代が進めば、当たり前だが人も変わる。商店街に立ち並ぶ店も変わり、風景も変わるだろう。

移住者も最近増えてきて、新しい風が瀬戸田には吹いている。

けれど、その変化の渦の中にいても全体的な街並みや雰囲気はどうか「変わらない」でいてほしい。

そのためには、移住者を始めとした外から入ってくる人々とまちの人が共通のビジョンや意思をまちに持っている必要があると思う。

もちろん事業者によって、それぞれ「地域との関わり度合い」は違うし、まちづくりへの考え方も違うだろう。
商工会に入る人もいれば、入りづらかったりして自分で事業を進めているところもあるだろう。

そのように各々が「個」として存在しつつも、皆瀬戸田のまちの「ここを守りたい」だとか「こうあってほしい」というビジョンは最終的に行きつくところは同じであること、とても大事なんじゃないか。

幹の部分はみんなが同じ方向を向くこと。

そして、さらにそのためには、移住者とまちの人の情報交換、コミュニケーションが不可欠。

様々な人へのインタビューを通して感じこと。

地元の人は移住者に対して、
「骨を埋める覚悟で来てほしい、まちに溶け込んでほしい」と思っている人が多い。
移住者は未来の移住者に対して、
「移住を重く捉えずに気軽に来てほしい」と思っている人が多い。

このギャップが少なからずあること。

「地域の中で商売をする」ということは、まちの一部を担っているのだという責任が生じる。

「移住者にとっては気軽に商売を始める場所」かもしれないが、まちの人にとっては、自分の商売を脅かされる存在になりうるし、「この人誰」状態。
信頼関係を構築するところから始まる。

移住者が気軽に来て、事業がうまくいかなかったら素早く撤退。
こういう、短期的な動きが繰り返されると、地元の人にとっては「移住者」全般に対して不信感が募る。

だから、移住者は、ある程度「未来の移住者への責任が伴っている」ということは肝に銘じておく必要があると思う。

まちの人と、移住者のコミュニケーション。
広三さんが「移住者の人には、自分たちの考え方を知ってほしい」と仰っていたように、
双方が考え方のギャップを理解して、互いの考え方を理解しようとする機会が移住前に幾分かは必要なのではないかと思った。

最後に

最後に。
この1か月を通して、私が一番嬉しかったこと。

自分がこの「瀬戸田」というまちをとーーっても好きになれたこと。

去年の9月。3日間ほど瀬戸田を訪れた。
その後3日間を通して感じた瀬戸田の課題や魅力を踏まえて2月までオンラインでの企画立案mtgを重ねた。

正直、この期間はモチベーションが下がることが多々あった。
ほぼ知らないこのまちの何を伝えたらいいんだろう。
漠然と、ふわふわとしたイメージしか浮かばないまま、想像の中で作り上げるツアー計画。
「インターン」という義務感でこなしている感覚が強く、そんな気持ちで一つの地域に向き合うことに、期待してくれている人たちに向き合うことに何とも言えない不安感と、やるせない感情を感じていた。

けれど、実際2月から瀬戸田に来て次第に瀬戸田が好きになってきた。

地元の人と話して、SOILの皆さんと話して、海でぼーっとして、おいしいご飯を食べて、フレスタで甘いお菓子買ったりして。

「好きだ」という感情から、心からツアーを通してこのまちの魅力を伝えたいと思えた。

自分の好きなまちがまた一つ増えたこと。
そして、ツアーを通して自分の好きなまちの魅力を伝えられたこと。
瀬戸田のファンを少しでも増やせたこと。

これが、この1か月で1番自分が「成果」と思えたことである。

凌太さん、小林さん、SOILのスタッフの皆さん、坂本さん、広三さん、祥子さん、はじめツアーやインタビューにご協力いただいた瀬戸田の皆様。
本当にありがとうございました。

また必ず、帰ってきます!すぐに!!

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