とりいくぐる2日目

ここ3日4日少し一日の終わりに日記をつけることができてなかったけどまとめて。

じゃがりこと、ポテチと、しりとりと

朝起きたら日差しが柔らかくて、誰もいないとりいの一階を、扉越しに外から眺めたときに静けさがある感じが、なんとなく落ち着く。

NAWATEの入り口に鳥居が一つ。そして中庭に入るところにも一つ。その間にとりいくぐるの入り口がある。

もともとお肉屋さんだった空き家を減築して建てられたNAWATEという複合施設。鳥居をくぐった先には、とりいくぐると、刺繍やさんとか事務所、タトゥー屋さん?がテナントみたいな感じで入る不思議な場所。
入るお店の種類は違うけど、NAWATEにはいろんな人がやってくる。

ここはすごく人の声が通る。なんでだろう、なんか構造の問題?とにかく声が通る。だから布団を干してたりご飯を作っていると、NAWATEに出入りする人の会話が聞こえてくる。

何かの打ち合わせだったり、郵便配達の人、宅急便、刺繍屋さんの取引先の人、とりいくぐるのお客さん、鳥居が二個もついたなんか不思議な場所だから何ココ的な感じで来る人もいたり。
NAWATEの中だけじゃなくて商店街を通る人の声、前が郵便局だからそこにくる人とかも。

部屋の掃除をしていると、部屋によって見えるまちの景色が違うから面白い。中庭、中庭の奥、郵便局の前。それぞれの窓から見えるまちの景色と、そこで生まれる会話たち。
もしかしたら、非日常だから余計に目に入ったり耳に入ったりするのかもしれないけれど、そういう人の存在、人の交わりが感じられるところはすごい好きだ。

この前は近所の小3、さりちゃんといちりちゃんが来た。最近よく来るらしい。
「ねーこれあげる」じゃがりこをくれた。
さりちゃん「あそこで座って食べてもいいの?」
私「うん全然いいよん」
2人「ポテチ一緒に食べようよ、パーティー開けしよ」
私「え、いいの?笑 ありがとう!!」

まず、小学3年生が「パーティー開け」という単語を知っていたのが衝撃だった。最近の小学生をナメていた。

テラスに座ってじゃがりこのチーズ味とポテチのコンソメ味をJCとJDで食べる。来る前は想像もしてなかった光景だけど、小学生と大学生の女子会ができてすごく嬉しい。

さりちゃん「しりとりしよ」
いちりちゃん「いいね」
いちりちゃん「じゃあ『り』からね」

しりとりが始まる。なんて平和な世界。しりとりなんて久しくやってなかったけど、これ以上ない純粋な遊び。

めちゃくちゃ寒いのに謎に2人はパーカー1枚にスカートと半ズボン。
元気すぎる。おばさんにはそれは無理だ。

そして、何よりこの2人の会話のテンポがすんごいポンポンと進む。
会ってからポテチをパーティー開けするまでの流れ、そしてしりとりが始まる流れがマッハ。

いや~~楽しい。小学生かわいい。いろいろと懐かしくなった。

最後は、中庭の、鳥居の前でお金を渡しあって、
「ばいばーーい!!!」とそれぞれのお家へ帰った。

21になってすっかり忘れていたような、愛おしい瞬間を感じられた。

人が集まる場所、とは

このNAWATEはそんな風にいろんな人が来る場所。

私は将来、「人が集まって、出会いとか会話が生まれる場所」を作りたいと思っている。それはこれまでゲストハウス一本に思っていたけど、最近は前も話したようにカフェとかいろんな機能が備わっていてもいいんじゃないかと思う。ただ、共通することとして人がゆっくりと留まれるような場所を作りたい。

「人があつまる場所」って何だろう?
「人」って誰だろう?
地域の住民。観光客、
住民にもいろいろな人がいる。
一人暮らしの大学生、お酒が好きなおじさん、隣のうどん屋のおばあちゃん、半ズボンで動き回る小学生。

私のイメージの中には、商店街をふらりと歩いてきた近所のおばあちゃんも小学生も、大学生も、世代も性別も出身も違う人がふらっときて会話が生まれてっていう理想がある。

けど、最近、もしかしたら、それって自然にはすごく難しいことなんじゃ中と思い始めてきた。

NAWATEもそうだけど、いろんな人が来るといっても、客層は限られてくると、5日と滞在期間がまだわずかながら思っている。
そりゃそうか、と当り前で、まずNAWATEはとりいくぐるや刺繍屋さんという事業者がいて、その人たちで囲まれた場所だから、しかも鳥居の存在もあり、誰にでも開けている場所、誰にでも入りやすい場所ではない。

私みたいにゲストハウスだったりちょっと古びた雰囲気だったりが好きだという人が来たりする。刺繍屋さんに興味がある人が来たり、たまたま通りがかって惹かれた人もいるだろう。

当り前の話になるけど、その「あ、気になるな」「入りたいな」と思わせる引っ掛かりの部分、その人の根底にあるような琴線?趣味とか、「好き」ポイントは、人によってさまざま。これはもうマーケティング、とかの話になってくるのかもしれないけど、
事業者が絡んでくると、その人たちに似通った趣味とか趣向の人たちが来るのは当たり前のこと。

とにかく、言いたいことは「万人にとっての場所」というのは本当にあるのだろうか、という疑問。

NAWATEじゃなくて、公共的な場所に対してもその疑問はある。
オープンスペースと呼ばれるような場所は、本当に誰にとっても「オープン」なのだろうか。
私はYESとは言えないと思う。

誰かがいたら、誰かが入りにくい小学生がめっちゃ遊んでたら、読書してゆっくりしたいと思う人は入りにくいなと思う。私がそうなるうちの一人、笑

そう考えたら、「人が集まる場所」と一言で言っても、誰のことを指しているのか。
誰にとって心地の良い空間なのか。そして、誰かにとって居心地の良い場所は、誰かにとっては居心地の良くない場所になりうる。

地域のおばあちゃんがふらっと来て、観光で訪れた若者と話したり、(これはもうおばあちゃんとか大学生自身の性格によると思うけど笑)、話さなくても、地域の人同士、地域の人と観光客、観光客同士、いろんな人が集まって、安らぐような空間ってつくれないのかな。

これを、ここまで読んでくださった方、どう思いますか??とても誰かと話したい。

これはもう、こうやったらこうなるよ!とかいう方法論的な問題ではない気がする。自然に流れに身を任せるものでもあるのかもしれないと、
ここまで来て書き疲れてきた私は思った。

近くのスーパー、パサージュがもうすぐ閉店なので駆け込もうと思う。

この話はまた、昨日のラウンジカドの話でまたできたらと思う。



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