「もう壊してもいいんだろ?」「良いも何も」「だな」今だって揺れは続いているのだ、ここはもう長くはないだろう。「じゃ、出るぞ!」手近な壁に向け、腕を伸ばす。こいつには腕も足もある。人型というか、卵に手足が生えたような姿だ。無骨な腕が壁を容易く引きはがし、一気に水が流れ込む。

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