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タエ通信 vol.33 【無幻双刻環境 ゾルガ・ネイダール徹底解説】

割引あり

みるたえです
今回は『無幻双刻』より、【禁忌の運命者 ゾルガ・ネイダール】を解説します。
プレイ難度が非常に高いデッキですがカードそれぞれの役割やデッキのプレイ方針を理解することでかなり変わるので、読んだ方の疑問点を解決できればと思い書いています。
個人的に今期のヴァンガードで一番強いデッキで、今後デラックスや大型の大会で無視できない存在です。

アドリブの状況判断が求められるシーンが多いデッキで全てのパターンを文字で表現することは難しいので、分からないことがあればXのダイレクトメッセージまで質問お願いします。
しつもんは具体的な内容であればより正確に回答できますのでご協力お願いします。

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[1]デッキの解説

【禁忌の運命者 ゾルガ・ネイダール】は『魔合成』という独自のギミックを駆使して本来1ターンに1枚しか使えないノーマルオーダーを2枚使用することでアドバンテージを稼ぎつつ、ヴァンガードの能力でバインドゾーンのノーマルオーダーの種類を参照するパワー上昇能力を付与したブースターで《彷徨の獄竜》や《業臨の怪魔》をブーストし、クリティカル2の高打点で殴りきる攻守両面で高いクオリティを発揮するテーマです。

また、ドロップゾーンからのユニットコール手段も豊富でリアガードの展開に手札を要さないだけでなく、コールした守護者や高ガード値のカードを《影纏い》の能力で手札に戻すことができたり、リアガードのクリティカルが上昇することで相手に5点目を与えず勝利できるなどゲームの展開を遅らせて有利にできる仕組みが多く内蔵されており、ゲームのスピードを調整できるコントロール寄りのテーマという側面も備えています。

一方で序盤から《獄竜》が絡んだり、《潮風攫い》でバインドゾーンへのオーダー供給が加速したりすると4ターンキルも視野に入れることができるなど速いレンジへの対応力も十分にあるなど、ただ低速なゲームが得意なデッキというだけではない点も魅力です。

手札やバインドゾーン、ドロップに全てのコスト、更に山札からのサーチも行うため全ての領域を管理する必要があり、更にカウンターやソウル、エネルギーなど全てのコストを使用し、毎ターン手札にオーダーを残しつつ散らして採用しているオーダーを使い分けながら戦う必要があるため、プレイ難度が非常に高い点も特徴です。

【ゾルガ・ネイダール】を理解するにあたり、まずはユニットとオーダー、2種のカードの役割を確認していきましょう。

■オーダーカードの役割について

【ゾルガ・ネイダール】の最も特徴的な点はやはりノーマルオーダーを用いたギミック、『魔合成』でしょう。
新ユニット《ゾルガ・ネイダール》の魔合成の条件は手札+別名のバインドゾーンのオーダーとなっており、基本的に使いきりになる従来のものとは異なり魔合成先のオーダーを使い回すことができるようになりました。

複数のオーダーの能力を同時に使用できる強力なギミックですが、このアクションがデッキ内で担う役割は大きく分けて2つで

①手札および盤面のリソースの確保
②盤面打点の補強

です。
ストイケイアには様々な種類のノーマルオーダーが存在しますが、【ゾルガ・ネイダール】
を構築・プレイする際には上記役割をノーマルオーダーが担っていることを留意して選択することで無駄のないオーダー選択ができます。

また、上記の役割は魔合成のアクション自体だけではなく、それを準備するプロセスも連動していて、《ゾルガ・ネイダール》のオーダーをバインドしてユニットをコールし、バインドの数だけパワーを上昇させる能力は魔合成先のオーダーをバインドゾーンに用意しつつ①②両方の動きに寄与しています。
ほかには《潮風攫い》によるオーダー回収&バインドの動きも手札とバインド両方の魔合成対象を確保しつつ、①と②両方の役割を担っています。

魔合成先および《ゾルガ・ネイダール》による打点上昇の条件がオーダーの種類を参照する都合上採用するノーマルオーダーの種類は散らす必要がありますが、上記を留意しておくことで構築やプレイに方向性が生まれ、一貫性を持たせることができるでしょう。

☑️Check☑️
・魔合成やその準備段階の動きでリソースの確保、打点の補助を行う
・ノーマルオーダー採用の際はリソースや打点の確保を重視する


■ユニットカードの役割

次はユニットカードの役割を確認しましょう。
このデッキは《ゾルガ・ネイダール》のスキルにより盤面のユニットに困ることはそうありません。
打点もオーダーカードのバインドが進めばトリガー2枚の盤面でも十分な打点が出せるため、基本的にアタッカーやブースターとしてのユニットは何でもいいデッキです。
つまり、毎ターン魔合成ができていてオーダーのバインドを促すカードが求められるということになります。

整理すると、採用するユニットカードに求められる条件は下記です。

①魔合成を成立させる
②バインド枚数の加速
③能力によるクリティカル増加

唯一オーダーでは担いづらい役割が③です。
現状では《獄竜》と《怪魔》がこれを実現する手段です。

魔合成の成立には《影纏い》や《フィランダ》
のようなドロップゾーンにオーダーを確保するものや、《潮風攫い》のように手札にオーダーを用意するものがあります。
また、《鬼首狩り》のような魔合成に使用するオーダーのコストを軽減するものもここに該当します。

バインド枚数の加速手段はユニットで行う手段は現状かなり限られており、《潮風攫い》と《怪魔》、一応《棺桶撃ち》が該当します。

リソースや打点の確保といったゲームの組み立ての根本となる機能はオーダーやそれを活かしたギミックが担っているため、ユニットカードはその成立のサポートを主な役割と捉えておくとよいでしょう。

☑️Check☑️
・ユニットの役割はオーダーギミックのサポートがメイン
・クリティカル増加だけはユニットの能力に頼りたい


■デッキの欠点について

ギミックを成立させている限り万能な立ち回りが可能な【ゾルガ・ネイダール】ですが、当然欠点も存在します。

まずは冒頭でも触れたプレイ難度の問題です。
全ての領域を能動的に触れる上、散らして採用しているオーダーの使い分けやコントロールデッキの側面も持つことからただ高打点で攻めるのではなくあえて打点やアタック回数を落としたりリアガードに攻撃する機会もあるためゲーム中に発生する選択肢の数が膨大です。
また、どこまでコストを与えていいのかやどの程度ガード値を溜め込めば耐えられるのか、勝つためにどの程度要求する必要があるのかなど対面への理解度も深く求められるデッキでもあります。

さらに、原則1ターンに3回の攻撃で勝つ必要がある上に1ターンで行う処理も多くプレイに時間もかかりがちなため、制限時間内にゲームをまとめる必要もあります。

この問題は先述の各カードタイプの役割および、有料部分で説明するカードごとの役割を理解することである程度解消できる問題です。
結局のところどれだけ採用カードが散っていようと、オーダーを絡めたギミックでリソースを伸ばしながら打点を高めて殴るデッキという原理原則を理解し頭の隅に置いておけば取るべき選択の指標が見えてきます。
あとはそれをいかに効率化するか、ルーティーン化するかの話です。
ある程度自分の中で決め事を作っておき、決め打ちできると全然違ってくると思います。
この記事は、それを探るきっかけや、プレイの引き出しのバリエーションを広げる手助けになればと考え書いています。

ふたつ目の欠点は当たり前ではありますが、オーダー過多なデッキ構成であること。
序盤の手札に固まって手札にきたら《寄る辺》や守護者のコストで切って無理矢理処理するほかありません。
ライドのコストにするにもコストで捨てておきたいユニットカードも多く、捨てきれないことも多々あります。
上記以外でケアする手段は2ターン目の時点で有効にプレイできるオーダーの採用枚数を増やしておくことです。
1ターン早くオーダーを有効札に変換できることにより、オーダーが手札で溢れる事故を軽減しやすくなります。

みっつ目の欠点は攻撃回数です。
ガード値は有限なのでバインド枚数を増加させることでいずれ相手は受け切れなくなりますが、打点を出し始めるタイミングが遅すぎると相手に守護者を抱えられたり、制限時間内に勝てなくなったりしてしまいます。
解決方法としては早期からガードを切らせて数値を奪っておくことやバインドの加速を早めて高打点クリティカル2の攻撃をぶつけられるタイミングを前倒しにすることなどが有効です。

ここで解説したデッキの特徴を踏まえ、次は実際の構築を見ていきましょう。



[2]構築

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