どうしてこれができた

この作品↓についての文章です
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制作のテーマは、ぬいぐるみが好きだからぬいぐるみにしようと思った

クッションに目玉を2つつけたら、それはぬいぐるみになるのか、目口鼻手足別々にパーツをつけていったものを比べて、どれがクッションでどれがぬいぐるみになるのか等の実験をしていた

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実際にクッションがどうやってぬいぐるみになるのかを見るために、なんの動物でも形でもないあやふやクッションと、様々な種類の目を幼稚園に持って行き、就園前の子どもたちと遊んだ

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そのときに、片手間に作っていた いぬのぬいぐるみ

http://millitsuka.tumblr.com/post/91560847570

学校に持って行ったときに、みんなにだっこをされて、頭を撫でられ、本当の動物のように可愛がられているのを見た

自分が普段描いている いぬ が実際に自分の手で触れることができて、そこにいて、みんなに可愛がってもらえて、というのを見た時ちょっとうれしかった

あやふやクッションたちは、一旦置くことにした



作品の目の前にメモ書きを置いている

名前をつけること 整理整頓すること
残しておくこと  大事にすること
執着すること 存在させること


名前をつけること

”もの”には必ず名前がついているが、このぬいぐるみの いぬ には いぬという名前がある・みんなは「この子の名前はなに?」と聞いてくる・「いぬだよ」「いぬ〜?」・名前が無いと呼べないのは、気になるのかも・生き物以外にも、船や家電製品、生きていない”もの”に名前をつける人もいる・かわいがるには、名前が必要なのかも

いつもお邪魔している古道具屋さんの店主に見せてもらったアルパカの子どものぬいぐるみ・ぬいぐるみという名前で呼んではいたが実際には「アルパカの子どもの毛皮に綿を詰めた剥製のようなもの」だった・外国でぬいぐるみとして売られていたらしい・爪の先まで本物で目玉はきれいなビー玉・骨を抜かれたようにくたんとした子ども・わたしが呼んでいる「ぬいぐるみ」って?

整理整頓すること

自分の想像している漫画のコマの中の様子・ひとつひとつ想像したそれを”もの”にして自分の目の前に置いていくと、「ここにはこれが無いといけない」「ここにはこれがあった」とかなり細かいところまで「こうしなきゃやだ」がある・頭の中を整理整頓することができた

残しておくこと

ぬいぐるみを調べるにあたって、「子どもが描いた絵を、ぬいぐるみにしてくれるサービス」と「死んだペットの毛皮を使ってぬいぐるみを作ってくれるサービス」があることを知った・前者は理解が出来るが後者は嫌悪感しか無かった・もしかしたら自分がペットロスを味わえばわかるのかもしれないと思った

そのふたつを知ってしばらくした頃に、私のペットの猫が死んだ・死ぬほど悲しかったが、まだ静かに眠っているみたいな状態の死体をぬいぐるみにして残したいとは思わなかったし、実際に自分がそういう状況におかれても、理解は出来なかった

燃やして、骨になって、猫が帰ってきたときに私は安心した・「骨」という”もの”になって、まだここにいる(ある)し、本当にいなくなってないんだと思った・ぬいぐるみという”もの”で残すこと、骨という”もの”で残すこと・もしかしたら同じことなのかもしれない

大事にすること

嫁入り道具、死んだ人の形見、思い出の品、日本人はものを大事にして、長持ちをさせるイメージがある・ものに神様が宿ったりするのも、ひとつのものを長いあいだ大事にする気持ちからくる・愛着が沸いて、名前をつけたりする・生きていないものをさも生きているかのように扱う(ex.ルンバの修理「この”子”を直してください」)

執着すること

コレクションをしたり、使うわけでもないのに大事にしたり・似たようなものばかりに目移りしたり・これが無いと眠れない、落ち着かない、子どもが泣き止まない・全く色形同じものと、いつも好きで使っていたりしているものを比べると、奇妙な違和感を感じるし、意外と気付くことが出来る・体になじんで、その”もの”が好きになる

存在させること

私は自分の手に触れて形を認識できて、たしかにそこにあるということが認識できないと不安(ex.自分の頭の中にある文章は「文章を書いたメモ帳」という”もの”にしたい)・たしかに いぬ に、腕をまわして抱きかかえることができて、頭を撫でてやることができる、その空間に登場人物の一人として存在することが出来る・その空間にいられるのは数分だけだけど、漫画であるA4普通紙を持って帰ってもらうことによって、記憶の中だけじゃなくて、「自分が登場する漫画が描かれた唯一の紙」として存在させることが出来る


この6つをずっと考えていたら木を切ったりぬいぐるみを縫ったりしていた!


おわり

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