2021.3.14.
今日は完全に他者と状況に翻弄される日だった。
朝起きて、昨日の天気の悪さとは裏腹に快晴で、風は強いが暖かく、外に出たい気分だった。
切手を買う必要があった。確定申告の作業の流れで、あらゆる文具が必要になったので買いに行くことにした。
買い物自体は地味な買い物なので、すぐ済ませようと最寄りの繁華街へ赴く。
予想以上に人が多い。
あとで知ったけど、ホワイトデーだった。
人混みに気分が滅入り、広告だらけ、香水の匂いは混じり、いつもの都会症候群になった。買い物は最近もうネットで済ませられるが、オンラインで買えないか、こだわりがあるものは足を運ぶ。
文具に異常なこだわりを持っている私は、好きな色のバインダーがあるかないかを知りたくて、文房具店を3つは回った。異常だと思う。結局目当てのものが見つからなくて買わなかったし。
私はよく、こういう人混みや繁華街のあらゆる広告にすぐ左右されるタイプなので、いつも買うものをメモをして持っていく。
歩き回って、メモの項目の1つもクリアしていないことに気づく。
これもよくあること。しかし今日は著しかった。
途中で立ち寄ったABCマートで白いスニーカーに一目惚れしたり、可愛いピアスを見つけて、ピアッサーをあとでドンキホーテに買いに行こうと新たな買い物リストを作成していた。
今日買ったものでクリアしたのは、切手4枚のみだった。
あとは、結局ネットで買った方が安く、持ち帰りの不便さに悩まなくていい。
手持ち無沙汰だからか、書店へ行って、欲しい本を探していたら、同じ著者の別の本が欲しくなり、10分くらい悩んで、写真をとって持ち帰って考えることにした。
またあちこち回ってはなぜか何も買わずにいた。単純にお金がないから。前ほど貧困ではないにせよ、それでも自由に使えるお金は人には言えないくらい少ないと思う。じりじりとしたストレス。解放されたい。
そういう葛藤に右往左往していると、JRが運転見合わせというアナウンスが、併設のショッピングモールにすぐに情報は入ってきた。
たった2駅しか離れていないのに、帰れないなんて。。カフェにでも入ろう。その前に何か読むものでも買おう。よりによって何も持ってきてなかった。本でも読まないと、スマホにまた時間を奪われる。
また別の書店に入った。結局ここが一番落ち着くし、本にお金を使うことに私はなぜかあまり躊躇しない。
散々悩んだ挙句、
この2冊を買った。
いつもは、割と目星をつけて買いに行くが、今日はもうそういう日ではないと悟って、今知りたいことにフォーカスして選んだ。
このラインナップ、なんだか、悩んでいるみたいだ。
私の強みとは、私とはどんな人間か知りたくて、
働きたくない、いや、厳密には今の働き方が気に食わない。
客観的に見れば、転職する前の人間、って感じ。
こういう選び方は、自分の率直な考えをみれて面白い。
自分の"こうなりたい"像に見合った知識が、体に合わない時もある。
"これ好き" ”面白い”という事から、選ぶべきと思いつつも、そうできていなかったことに気づく。いつからこうなったのか。
カフェを出て、ダイソーで買い物をして帰ろうと駅に向かうと、まだ運転は見合わせていた。予想ではもうほぼ順行に戻っているはずだった。
そこでまた持て余した時間を何かに使いたくなり、結局あの白いスニーカーを買うことにした。しかし問題が一つ。
ダイソーのふくろを持ったまま、ABCマート(普通のちょっと違う小洒落た感じになっているABCマート)に入りづらく、途中PLAZAでエコバッグを買って。ダイソーのふくろをぶち込んだ。
私は何をしているんだろう。
なんとなく、景色に合わない、なんかいづらいかもしれないというフワッとした理由で、わざわざ1980円のエコバックを買うなんて。馬鹿だ。
スニーカーを買って、財布はヒリヒリしながらも心は満足していた。
再びJR駅に向かって、振替輸送で20分以上かかるが別ルートで帰ることにした。ここまで自分の思い通りに行かない日は珍しく、ストレスはピークを超えてもう抵抗しなくなっていた。
電車は満員。普段なら発狂するが、もうどうでもよかった。
むしろ、背中に当たる人の感覚が懐かしいと思った。
少し安心するような気もした。
ここ最近、会社の人以外とはほとんど話さないし、誰かと親密に触れ合うこともない。
密集したところで、なんとなく安心するこの感覚は、むしろ今は禁止されることで、普段から避けてきたから余計だと思う。
電車の中、さっき買った、アナーキズム研究者 栗原康氏の著書を読むのも心地よかった。
この心地よさはなんなんだろうか。
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