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#映画感想文 偉大な日本映画「東京物語」 日本人なら観てほしい。そして、海外のひとにも観てほしい。

ヴィム ベンダースも絶賛。小津は大好きです。いちばん好きなのは、「浮き草」。あとは「「お早う」「さんまの味」とか大好きだな。

「東京物語」は白黒だし、なんだかな。。と思ってしまっていました。小津は映像がすごくきれいです。絵画のよう。そして寝てとっているだけあって、非常に落ち着く。あまりにもつらい現実、そしてリアルな感じがすごくあって、これが戦後まもない1953年につくられたというがびっくりです。
今でも、通用する普遍的なテーマです。

ま、話は親が子供のいる東京を訪ねていくんだけれどいく先々でつらい思いをします。
最後は子供は親をうとましく思い、態度が鷹揚になって、露骨にいやな顔をされてしまいます。

そんなつらい思いをしているなかで唯一、やさしくしてくれるのは戦死した二男の嫁の原節子なんです。貧しい暮らしをしているのに、一生懸命つくして最後は「これ、おこづかい」といって、渡します。「こんなことをするのはどうかなとおもったけど、どうしてもしたかったの?」といいます。美しい。
感動してしまう。自分も未亡人で苦しい暮らしをしているのに、お金をつつんでさりげなくわたす。となりの家から日本酒もらって、ピーマンとたらこのおつまみつくって誠心誠意、義理の両親をもてなします。この姿こそ、日本人なのだと思いました。

そんな原節子の美しいこころをみて、笠智衆と東山千栄子は尾道にかえっていくんですが、なんと、帰って2日間で東山千栄子が危篤におちいってしまいます。

そして、あっけなく死んでしまう。そして、東京からかけつけた子供たちがまた、憎たらしく「父さんが先にいってくれたほうがよかったのに、、」と悪態をつかれ、そして、けんかして、に東京にかえってしまいます。

そんななか傷心の笠智衆の支えになるのは、原節子なんですね。

ともかく、原節子の最高傑作ですね。

少しでも近づきたい、理想の女性ですね。