ウェザーステーションのクロスフェードの順番が良い

私はよくボカロを聞きます。中でも好きなボカロPの一人が稲葉曇さんです。

題名にある「ウェザーステーション」は稲葉曇さんの二つ目のアルバム名です。個々の曲ももちろん最高なのですが、今日話したいのは「ウェザーステーション」の「クロスフェード」です。

クロスフェード(crossfading)とは、複数の音声を繋ぎ合わせる技法の一つで、前の音声をフェードアウトしながら、同時に次の音声をフェードインすること。繋ぎ目をはっきり区切らずに滑らかに移行することができる。

IT用語辞典 e-worls


何が良いって曲の並び順がとても良すぎる。聞くたびに構成の良さに感動してしまいます。

アルバム収録曲を順番に見てみましょう

1.秘密の小学生
2.ハローマリーナ
3.レイニーブーツ
4.ラグトレイン
5.ハルノ寂寞
6.カゼマチグサ
7.レーダー
8.かたむすび
9.天泣
10.ポストシェルター
11.きみに回帰線

ウェザーステーション収録曲


まずジャブといわんばかりに「秘密の小学生」。
軽快なイントロから一呼吸おいてサビ。いきなりクライマックス。
稲葉曇さんがよく使用しているボーカロイドである歌愛ユキを歌った曲でありこれ以上ないトップバッターといえるでしょう。

続いて「ハローマリーナ」。昂った感情を一旦下げて「レイニーブーツ」でボルテージを再び上げ・・・

「ラグトレイン」です。おそらく稲葉曇さんの曲の中では一番知名度が高いであろうこの曲をここにいれるのはさながら野球の4番バッター。期待を背負った強打者。そのままホームラン打ってくれ。

ここで「ハルノ寂寞」。しっとりした曲調を「弦巻マキ」が歌う変化球が来るわけです。いつのまにか野球の話になってないか?

次の「カゼマチグサ」でまたアップテンポになったと思いきや「レーダー」で急に静寂に包まれます。まるで宇宙に漂っているような感じ。このまま何も感じずに心安らかに・・・となっているところで

「かたむすび」。暗いロックで現実に引き戻されます。追い打ちをかけるように「天泣」。ダブルパンチで心が失意のどん底に落ちます。

しかしここで「ポストシェルター」弦巻マキが再び歌うわけです。つまり伏線回収。希望の光が差し込まれた後…

「君に回帰線」。フィーナーレ。大団円です。なにか一つの物語を読み終わったかのような充足感に包まれます。



かなりフィーリングに頼った感想だな



とにかくウェザーステーションのクロスフェードの並び順の良さがわかっていただけたと思います。また、曲の順番は作られた順ではないので意図してこの順で並べられたのだと思います。

なんでこんなに心動かされるか考えたんですがたぶん映画の構成と似ているんですよね。いわゆる三幕構成ってやつ。

wikiからもってきた三幕構成のイメージ画像

ざっくりいうと感情の波が上下上になっています。上記のグラフを収録曲で当てはめるとこんな感じになるのかなと。

0分から~30分までが
1.秘密の小学生
2.ハローマリーナ
3.レイニーブーツ
4.ラグトレイン

30分から60分までが
5.ハルノ寂寞
6.カゼマチグサ
7.レーダー

60分から90分までが
8.かたむすび
9.天泣

90分から120分までが
10.ポストシェルター
11.きみに回帰線

これがもし他の順番だったらこの良さは出ていなかったのかもしれない。極端な話収録順が逆順だったら記事にしたくなるほど感動しなかったのではないかな。並び順自体に創作性があるのですね。

これに付随してポケモンのシロナの手持ちの順番が良すぎるという話もしたかったのですが関係ないので割愛します。


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