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ひたすら歴代携帯端末を紹介する

 昨年久しぶりにiPhoneを買い替えた。2017年6月に7Plusに買い替えて以来だったので実に3年ぶりの買い替えだった。おそらく3年以上使った端末はこれが初めてだろう。00年代の私の趣味は,携帯電話の新機種チェックだった。大手3社の最新端末をチェックし,カタログを読み耽っていた「ケータイヲタ」だったのだから。そんなわたしが愛用していたガラケー時代の端末を紹介する。


j-phone J-SH05

 私の人生初めての携帯電話はj-phoneだった。単純にあこがれていた先輩がj-phoneだったからだ。卒業を期にその先輩と連絡を取り合うことはなくなったが,周囲が256色のカラー液晶だったのに対し,65,536色表示のTFT液晶はただただ圧倒的な奇麗さで,うれしかったことをよく覚えている。
 製品番号1つ前のJ-SH04がいわゆる初のカメラ付ケータイだったが,携帯にカメラが付いていて何を撮影するの?というのが一般的な反応だったし,私自身もカメラの必要性を感じていなかった。当時カメラ付きの携帯はキワモノ扱いされていたと思う。
 そして,折りたたみ携帯で背面液晶がない端末ゆえに,メールが届いているかどうか気にしている時間もパカパカパカパカ端末を開けたり閉めたりする。そのうちに蝶番部分にひびが入ってしまった。そして,当時付き合っていた人との別れ話の電話中にとうとう蝶番が完全に割れてしまい,上下分離型携帯になってしまったのであった。最初の携帯は当時お付き合いしていた人の思い出と一緒に散ってしまった。

j-phone J-SH52

 気を取り直して購入したのが,J-SH52である。私はどうも新しいものに飛びついて足元を見られることが多く,この端末辺りから,「パケット通信料」という言葉が登場する。当時のj-phoneのメールは無料範囲で100文字くらい受信した後,続きを読むを押すと課金(8円くらい)される仕組みだったが(つまり100文字程度の短いメールであれば受信料は0円であるし,8円かけて受信をしたが続きは1文字しかなかった,なんてこともあった),この端末から通信料に応じた課金に変わったのだ。文字数や画像添付の有無によってメール1通当たりの値段が変わるシステムだ。つまり今まで無料だった短い文のメール受信にもお金がかかると不評だった。
 当時のj-phone市場におけるSHARP端末はSH-0Xシリーズと,ハイエンド端末としてのSH-5Xシリーズが並走していた記憶がある。この端末は背面カラー液晶,SDカードスロット付き,動画撮影可,と当時できることをすべて詰め込んだ端末だったように思う。一つだけ,ころんとしたデザインがあまり好みではなかった。この後の端末を並べるとこの端末だけがやっぱり自分の好みとちょっと違うなと思っている。

vodafone 603SH(ゴールド)

 ガラケー時代,一番好きだった端末は?と聞かれると最初に思い出すのがこの端末だ。机の上に無造作に置いておくと,研究室の先輩や友人に「金塊」と呼ばれた。今でこそゴールドの携帯は珍しくなくなったが,当時ゴールドの携帯は衝撃的だったらしい。更に直線的なフォルムもあって,金塊そのものだったのだろう。
 中の機能も金塊のようだった。ワンセグ,モーションセンサー,光学ズームカメラが付いていた。待ち受け状態での着信履歴視認のために,時代はスライド式携帯または背面液晶をつけた折り畳み式の2択になっていたところを画面を180°回転させる荒業をやってのけた。180℃回転後もフォルムが美しいのが良い。

Vodafone 904SH( バイオレット)

 603SHが好きすぎてあまり好きになれなかった端末で申し訳なく感じている。VGA液晶は本当に美しかったが,フォルムが好きになれなかった。ヒンジ側が厚く,端に行くにつれて薄くなっているので,机に置いたときの斜めが美しくなかった。そして重量級の端末だった。でかくて重たいのだ。色はやはり当時珍しい紫だったが,金塊のインパクトにはかなわなかったように思う。この端末もいわゆるハイエンド「全部入り」端末だ。J-SH05からずっと持ち続けてきたその当時最高の技術と機能を満たさなくても,私の好きな端末に出会える気がする,そう思わせてくれた点では,この子を手に入れてよかったのかもしれない。結局1年たたないうちに水没させてしまった。

Softbank 812SH (メタルブルー)

 先代の水没時に、まだ残債が残っていたのもあって、安めの機種…という理由で、812SHを選択。ただ、色だけは自分らしさを出したいと、2つ前の金塊ゴールドと先代のバイオレットを足して二で割ったようなメタルブルーを選択した。Nintendo64のスーパーマリオ64に出てくるメタルマリオのような色だった。色自体は気に入っていた。この辺りは携帯に求める機能的要素が一通り揃って、あとはカラーやデザインで所有欲を満たせれば、という気持ちになっていた気がする。先代に比べ随分と軽かったので、色的には金属風の色なのだが随分とプラスチック感を感じていた。なお、この端末で初めておサイフケータイ機能を使うようになった。毎回ドキドキしながら決済をしていたのを思い出す。そして裏蓋を落としてしまい、Felicaの機能は裏蓋と本体どこに入っているのだろう?とひたすら悩んでいた自分を今思い返すと面白い。

Sportio (W63T)

 突然のauへ乗り換え。一目惚れだった。毎日のように家電量販店やAUショップに行って店員さんに質問をしまくった。わずか82g、サイズは93 × 52 × 13.7 mmの端末。超ミニサイズ端末はそれ以前にもDocomoでPreminiなど出されていたが、あれはどちらかというとビジネスマンモデルのような風貌だった。今回のauの端末は、黒にピンクのラインを効かせたデザインで、可愛らしい端末だった。見た目よりボタンの操作もしやすく、今でも通話専用で持ち歩きたいくらい好きだ。一時期、ストラップの方が携帯より大きくなっていたのが自分でも面白かった。そしてこのガラケーを最後に、私はiPhone信者となっていくのだった。

所有欲と自己表現と端末バリエーションと

 実機はもう残っていないけれど、こうやって端末の名前を並べてみて思う。私のガラケー時代前半はハイエンド端末、最新の機能を求めていたが、後半は色やデザインに自分らしさを求めていた気がする。今のようにケースをつけて歩かない時代、本体色やデザインが最重要点だったのだろう。

 そしてミニマム端末への憧れはsportio以来ずっともっているように思う。今でも、ポメラ、サイバーショットU、ゲームボーイミクロ、UMPC、ipad mini、楽天miniといった小型端末が大好物なのだ。iPhone5や12の角張ったデザインが好きですぐに飛びついたあたりは、あの金塊フォルムの603SHを追い求めている気がする。

 携帯の進化とともに育った私にとって、ガラケーの歴史は、その後のガジェットの好みを決定づけるものだったようだ。


 








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