【天使について】推しが天使になった

推しが天使になった。
正しくは堕落天使と天使のような幼女になった。

LDH JAPAN主催の舞台
天使について:堕落天使編
http://musical-tenshi.jp

のことである。
天使になった私の推しはTHE RAMPAGE from EXILE TRIBERIKUさん。
舞台はとっくに全公演を終了し、私の心も少し落ち着き始めたので初めてnoteなるものを使用し気持ちを整理してみようと思う。

ここに辿り着くような人は積極的に推しの感想を求めているような人だけだろうし、舞台に関する詳細な説明は省略する。
『天使について』はトリプルキャストで挑む1人2役の2人芝居。
最初に情報が出た時、期待と不安でごちゃ混ぜの感情になった。

THE RAMPAGE LIVE TOUR 2021 ″REBOOT″ -WAY TO THE GLORY-
追加公演・幕張メッセで流れたティザームービー。「天使を見たことがありますか?」のナレーションと共に現れるいつもと全く違う雰囲気のRIKUさん。何が起きたのかすぐには判断が出来なかった。
RIKUさんがミュージカルの舞台に立つ。どうやら堕落天使?として。それぐらいしか情報が無かった。頭がそのことでいっぱいになりながらTHE RAMPAGEのメンバーを見送り、幕張メッセを後にした。

RIKUさんにミュージカルの役を演じて欲しいと思っているファンは結構多いように感じていた。
REAL RPG STAGE『ETERNAL』で演じたレンブラント役を観て私は衝撃を受けたし、これは多くのファンがそうだったのでは?
RIKUさんは歌うことが全てで、お芝居の世界からは自分で線を引いている人だった。確かに初めて別の人間(?)としてのセリフを貰ったICEBOXのWEB CMの氷の妖精は「お芝居はちょっとね」と言われてしまいそうなものだった。当然素人なのだから仕方ない。ファン目線からは初々しくて最高だったが。
それが紆余曲折を経てETERNALが開幕し蓋を開けてみれば氷の妖精の面影は全く無く、淀みなく聞き取り易いセリフの流れ、美しく力強い殺陣。押し隠されたレンブラントの激情が発露される度に新鮮に驚いた。予想を遥かに上回る出来で、全3公演私は色々な感情に掻き乱されて毎回泣いた。
2日間、私の推しは成長と可能性を見せてくれた。
ETERNALはミュージカルではない。でも劇中歌が2曲だけあり、それをRIKUさんは1人で歌い上げた。あの2曲の存在感がとんでもなく、あの曲が「RIKUさんにミュージカルを…」という願いを多くのRIKUファンに抱かせたように思う。

1年前の思い出話でこんなに長くなるとは思わなかった。記憶を辿る作業にお付き合いありがとうございます。

そんなファンからの期待を背負ったRIKUさんに、ETERNALを観たLDHミュージカル部からオファーが来たという。本当にありがとうございます。LDHミュージカル部は天才の集まりです。よくぞ…この原石を磨こうと…よくぞ…。
もしかしたらRIKUファンがこぞってFCのETERNALプレゼント企画のご意見ご要望欄に「RIKUさんにミュージカルを」と書き連ねた結果も多少は影響しているのかもしれない。もしそうであれば後にRIKUさんが「バカ辛かった」と涙ながらに語った状況にファンも加担してしまったことになる。本当に申し訳ないが、私はそれでもミュージカル俳優として舞台に立つRIKUさんがどうしても見たかった。

『天使について』の新情報が出る度に期待と不安が高まった。RIKUさんの共演者の皆さんは当然のように全員お芝居の経験者で、それぞれの畑で素晴らしい経歴をお持ちだった。
そこに放り込まれた明らかに異質なRIKUさん。RIKUさんの経歴はETERNALだけ。たった3公演の初舞台。共演者にはTHE RAMPAGEのメンバーも多く、恵まれた環境の舞台だった。
この全く違う環境と遥か先を歩む共演者に囲まれて彼は役を演じきることが出来るのだろうか。過保護な親の様な心配をした。
しかしそんな心配は全く不要で、この現場もまた恵まれた環境だったという。外から見ていても分かる共演者の皆さんとの絆。そしてその共演者の皆さんが度々口にする「恵まれたメンバーと環境」という言葉にやっと安心できた。
勿論我々の目に見えないところでは色々あったことと思う。RIKUさんは「バカ辛かった」ことの詳細は語らないから彼がぶち当たったであろう壁の高さすら私達にはわからない。
彼は生来の奔放さを公式Twitterで発揮してしまい、芝居関連以外のダメージも受けたことだろう(決定打は公演中だったが)。この件に関しては彼も学ぶことが多かったと思うし学んで欲しいと思っている。

ともあれ色々と「坊や」な私の推しはとうとう舞台に立ち、堕落天使と天使のような幼女になった。

赤いフード付きのマント越しにも推しだと分かる体格。最初に見た姿はダヴィンチとしてなので当然セリフも無かったがとても感慨深かった。お芝居を…している…!という実感。板の上に推しがいる…!早く顔を見せて言葉を発して欲しいなと思ったが、可愛らしい鍵本ルカを観ていたら世界に引き込まれてしばらくの間RIKUさんのことは忘れていた。
そこに唐突に現れたジャコモ。
ジャコモ。
凄かった。
あまりにも可愛くて驚いた。RIKUさんは可愛い。そんなの知っている。ガチムチの漢だが妙に可愛い口調や仕草になるし、なんならギャルになる時もある。しかしそれとは違う子供特有の可愛さがそこにはあった。
かつてコンプレックスだと言っていた高い声を存分に活かし、高い身体能力を存分に活かし、活発でちょっと生意気で好奇心旺盛で全ての仕草が可愛らしい子供になり切っていた。歌い方までいつもと違い子供らしく感じる歌唱。あの分厚い体が小さく小さく見えた。

そしてジャコモに殴られた頭の上に天上の歌声が降って来た。
ヴァレンティノ。
ステージセットの3階に立つRIKUさんからとんでもない歌声が放たれていた。
自由劇場の空気が震えている。誇張ではない。大好きな劇場だけどここはRIKUさんには狭いかもしれない、素直にそう感じた。
ヴァレンティノの歌声もRIKUさんのいつもの歌唱とは全く違った。ともすれぼ過剰に感じられそうな強く美しいビブラートは彼なりのヴァレンティノへの解釈を感じた。
「いつもと歌い方が違うから喉を痛めちゃって」
少し前に声帯疲労で掠れた声で言っていた言葉がやっと理解できた。子供のような歌い方と強いビブラート。一体どれだけの努力を…。
RIKUさんのヴァレンティノは指先まで美しかった。全ての動作が踊るように華やかで、今まで鍵本ルカとジャコモの可愛らしい天使のイメージで包まれていた舞台に異質なものとして舞い降りてきた。

正直なところ「一番神に愛された一番美しい天使」というフレーズがプレッシャーと言うか…どう!?できそう!?RIKUさん!!と情報公開時から心配だった。そりゃRIKUさんは美しいが、どちらかと言うと肉体美だったりワイルドなシチュエーションに合う美しさが売りで、繊細な美しさの天使とは生産工場が違うんですよねと思っていた。それがどうだ、この美しい歌と美しい所作は。神に愛されたという説得力。今この舞台の『神』は間違いなくこのヴァレンティノを一番愛していた。神の気持ちが理解できる。

とんでもない舞台だった。
推しの成長をフルで感じられるとんでもない舞台。劇場に行く度にお芝居が良くなっていた。RIKUさんの公演期間中の進化速度は尋常では無かった。これは絶対に5人の共演者やスタッフの皆さんのお陰。RIKUさんを引っ張りあげてくださって本当にありがとうございます。心の底から感謝しています。
確実に前回より良いと感じる公演(少なくとも私が行けた公演は)を積み重ねてRIKUさんは大千秋楽に辿り着いた。

カーテンコールで涙声で笑顔になるRIKUさんを見て、私がいたのが劇場じゃなかったら声を上げてオイオイ泣いていたと思う。古谷さんの優しいお言葉のお陰で笑顔で帰宅することができたけど、次の日のRIKUさんのblogを読んでまた泣いた。

2022.3.7
大千秋楽

役者青山陸のご活躍を心からお待ちしています。

努力を水中に隠す白鳥スタイルが一般的に好まれる日本だけど、私は努力している姿を隠さないRIKUさんが好きだ。そのオープンなマインドは私には持ち得ないもので、とても健全で良い。でも思い返すとRIKUさんは稽古中歌唱部分は動画で見せてくれてもお芝居の部分は見せてくれなかった。(見せられるパートが限られていたのかも知れないけれど)
彼のファンならRIKUさんが実は繊細なことは理解していると思う。自身が歌だけを目標に絞っていた過去からお芝居への挑戦に対して色々考え過ぎてしまっている気配も感じていた。
それでもミュージカル初挑戦でこれだけの結果を見せられてしまったら、ファンとしては次の舞台が観たいと期待してしまう。また「バカ辛かった」と言わせてしまうかも知れないけれど、彼の挑戦と成長をずっと見ていきたいなぁと思っている。

こんなに長いお気持ちまとめ文にここまでお付き合いありがとうございました。
私は天使のアーカイブ全公演無限再生に戻ります。

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