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骨折物語 その5 ~自宅療養から外来再診後の入院~

#松葉杖利用と再診受付 #松葉杖利用者の採尿提出 #病院の構造を知らないと検査室までの距離を把握できない #病室選択の自由がなかった #大部屋にはルールありボスがいる

【骨折自宅療養から外来再診】 

 

~正面玄関で降車移動する人々~ 

2021年12月19日の日曜日に救急外来診察後、自宅療養をしていたのだが、2021年12月21日火曜日整形外科外来再診日となっていた。 

夫の車に乗車し、病院まで移動する計画を立てた。 

受傷後の受診は娘の運転する車で移動したのだが、この時は乗用車の後部座席だった。主人の車はワゴン車で車高の高さとステップの位置が高く、移動するには乗用車が骨折している人には楽だと感じた。 

乗車したのは、運転席の後部座席。受傷した足を助手席の後部座席に乗せ、右足は床に置き、右手はドア上部の手すりを握っていることで、体が安定した。 

 

30分ほど乗車し、病院ロビーに到着。ロビー前のロータリーは、左にタクシー乗車口、その右手に一般車両の降車場所が2台分あった。一般車両の降車口には、すでに2台停車しており、車椅子の患者さんをおろしていた。車で送ってもらった徒歩可能な人も降車するために、2台分の駐車スペースのより内側にいったん停車し、患者をおろす家族の車が停車するなど、歩行可能な人ほど、少しでも早く降りて、再診受付をしようと玄関から小走りに入っていく様子が観察された。 

 

私も、もしも歩行可能で再診受付をするのだとしたら、我先に降車していただろうと思いつつ、その行為が車椅子で降車する人の移動スペースを狭め、危険な環境を作り出していることを考えることなく、行動していたのだろうと思いつつ、観察していた。 

歩けるようになったら、待つ姿勢を示すことや、ロータリーに入る前に降車することもあるし、駐車場に止めてから移動しようと思った。 

 

自分自身が松葉杖を使わなければ移動ができなくなって、単なるロータリーに列をなす車と、降車し移動する人の不自由さを観察する視点をもって、状況を読み解くことができるようになった。 

 

~降車後の再診手続きとそこにいるスタッフの役割~ 

 

骨折物語のその1で記載したように、救急外来の受診が初診の病院で、構造が分かっていない私が、再診手続きをし診察前に術前検査を行うこととなっていた。救急外来を受診した時点で、術前検査の採血、心電図、レントゲン撮影があることはわかっていた。知らないのは、その検査をする場所がこの病院の何階にあるのか、エレベーターやエスカレーターがあるのか、移動移動距離が何メートルくらいかの予測ができなかったことだ。 

1)診察券を機械に通し手続きは簡単にできた。 

2)再診手続きをした際に出力された用紙を、ファイルに入れ、整形外科外来に提出することはわかり、整形外科外来の位置も、視界に入る距離であることが分かり松葉づえで移動することは可能だと判断できた。 

3)両手に松葉杖を保持しながら、再診票のファイルを持ちながら、移動することが可能ではあったが、できうるなら松葉杖を握ることができて移動するほうが安全な移動であととは思っていた。 

4)再診受付にいる人は、患者の安全を判断し、何をアシストするとトラブルを生じないかを予測して介入する判断をしていないと感じた。 

5)そもそも、そこまでを要求されていないから、再診受付に立って口だけ動かしているのだろう。 

 

『診察券を再診受付の機会に通し、印刷された用紙をファイルに挟み、受診する診療科の受付に提出してください。』 

 

※上記のアナウンスをするために、2人の人間を配置する必要があるのかと、疑問に感じと同時に、テープでも流しておけば、2人の人間の業務を患者の安全対策に集中させられるのにと、思った。※ 

 

 

 

~松葉杖移動時の術前検査採尿提出~ 

 

術前検査の採血と採尿はエレベーターで2回に移動し、受付にファイルを提出し、順番を待った。しばらくすると、採尿カップを渡され、トイレで採尿し、トイレ内の棚に置くように指示を受けた。 

ここでも、主人が付き添っているが女子トイレまで一緒に入ることはできず、紙コップを自分で持ち、採尿したコップを松葉杖を握りつつ保持し、5メートルほど先にあるスライド式のガラス扉を開け、採尿コップを置く作業をしなければならなかった。 

 

ここでも、検査受け付けの人は、私が松葉杖を使用していることを見ているものの、単なる視界に入っているにすぎず、松葉杖を握りながら採尿をする動作や採尿コップをもって移動すること、採尿コップを提出する棚を開閉することなど、思いを巡らし、目の前の対象者に必要な援助を考え行動する習慣が身についていないのだと思った。 

 

~心電図検査とレントゲン撮影~ 

院内の構造をしらなかったこと、距離感を把握していなかったこと、松葉杖を使うことがリハビリだと思っている私は、採血と採尿検査後、エレベーターで1階に戻り、検査室に向かった。 

頭上の案内板に従い、右に折れ、その先50メートルの突き当りまで見渡しても、検査室の表示はなかった。突き当りを左に折れ、その先50メートルほどふたたび松葉杖で移動し、心電図検査室の表示が見えた。 

全身から汗が吹き出し、心拍数上昇、のどの渇きなど激しい運動をした感覚だった。ここは、自分自身の予測が甘く、負荷をかけてしまったと反省した。構造により、移動距離が長く、自分自身も松葉杖の操作に慣れていないときは、車椅子の選択も必要だったと反省しきりだった。 

この、左足の患肢を下垂いたままでの移動によって、せっかく下肢の冷却を続け浮腫最低限に予防していた処理があっけなく効果を失い、左足の足首から足趾の浮腫と熱感、しびれの増強となった。 

 

~術前検査後の手術説明~ 

外来診察時間11時30分の予約から、1時間待ち、診察室に呼ばれ、説明を夫と2人で聞いた。 

ここは、一般的な麻酔のリスク(腰椎麻酔)と手術のリスク(出血のリスク・神経麻痺・感染のリスク・機能障害のリスク)についての主治医からの説明。 

承諾書の記入用紙を手渡され、病室で提出する事となった。 

健側の下肢の単純レントゲン撮影の追加オーダーがあり、診察後再び単純レントゲン検査室に移動し、撮影後外来受付に戻るように指示があった。 

【車椅子で病棟入院と移動】
14時過ぎたころ、病棟の助手さんが外来に迎えに来てくださり、車椅子に乗車し、病室に向かった。 

 

病棟の看護ステーションで、病室が4人部屋窓側であることを告げられ、お産以外の初めての入院は個室にするかの選択も与えられず、大部屋2泊3日の手術患者としての体験が始まった。 

大部屋の勢力構造やコミュニケーションの内容を、患者として体験したことを次回は書き連ねたいと思います。

 

2021年1月1日(土曜日)                                          
                               MILK 

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