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サービス付き高齢者住宅~脊髄損傷のある利用者(湿度/温度)管理 エピソード1~


#脊髄損傷のある利用者
#夏は体温が上昇
#秋と冬は湿度が低く喉が乾燥する
#体温・湿度・室温・エアコンの管理徹底
#大切なのはデータを残すこと

既往歴を知ることと症状把握


Cさんと言う脊髄損傷の利用者さんがいます。
この方は、出会った時から、喀痰喀出をするたびにナースコールを押します。
皆さんは、痰が毎日出ますか?
ティッシュに吐き出す回数は、風邪をひいて咳をするときくらいではないでしょうか。
記録に痰がでるような基礎疾患の記述がなかったので、何が原因で痰がでてくるのか、見当がつきませんでした。
ご本人に伺ってみてわかったのは、
『子どものころから、蓄膿症と言われてる』
つまり、両方の鼻の通りが悪く、鼻で呼吸をしていない。口で呼吸をしているのだとわかりました。
24時間ベッドに臥床しているので、鼻から鼻痰がたまると、喉に流れ込み、それを咳をしては吐き出しているのだとわかりました。
根本的に副鼻腔炎を直さない限り、痰の喀出は続くということと、鼻の炎症が強くなれば、より一層、鼻づまりと痰喀出は増えるということです。

口呼吸で鼻が通らないゆえの喉の乾燥


秋になり痰に血液の混入が増えてきました。
昨年も入居していたので、秋と冬の乾燥対策に加湿器を使っていたかを尋ねると、
「あったと思う」
そんな返事がありました。

私の心の声:
「あああああああ。脊髄損傷で意識障害もない人なのに、自分がどのように湿度が低い季節を過ごしていたのかも答えられない。」
「これじゃ自己管理の必要性が分かってない。事細かく何でも説明して理解してもらわないと毎年同じことが起こるぞ。」

本人の記憶がだめならケアワーカーに聞く
昨年度の冬、つまり、湿度の低い時期、居室内に加湿器があったのか?
昨年から働いているケアワーカーに聞いてみると、
①    居室の洗面器に水を張っていた
②    濡れタオルをベッドの枕元にかけておいた
③    蛇腹型の花柄のペーパー(水を含む)を花瓶に入れていた
と言うような回答でした。

常に意識づけていた居室温度と湿度


「今日(2023年2月6日)の居室温度は、20℃」
「湿度は、52%」
「体温は、36.3℃」
「エアコンは使用していませんね。」

必ず、聞こえるようにCさんの耳元で、4月から言い続けていたこと。

夏場は、皮膚からの発汗が期待できない脊髄損傷のCさん。
湿度が高まり、居室内が外気温で上昇すれば、おのずと体温は上昇してしまう。しかし、ご本人の自覚はないから、エアコンの設定と居室内に入ったときの感覚と、背部の湿潤を確認して以下のようなアクションを示す。

「暑い。暑い。部屋が暑すぎます」
「暑くないですか~?」
そう言って、湿度を下げるようにエアコンを操作し、背中の圧抜きと空気の入れ替えをしつつ、衣服や寝具の重なりを補正する。
除圧時はモルテンのポジショニンググローブが、私には最適です。この商品が手に入らなかったときは、ビニールを手にまいて実践してました。

〈【モルテン ポジショニンググローブ】 必ず使ってます。〉

脊髄損傷のエピソードは、次回へとつづく~。

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