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サービス付き高齢者住宅でのコロナ陽性者対応 ~多組織との連絡調整問題~

#相も変わらずいまだ電話対応
#一日に受ける電話の本数は10件以上
#保健所と新型コロナウイルス感染症医療調整センターは同じことを聞く
#連日同じ情報収集の問いを向けられる時間の無駄

2022年度の年末から新年度にかけて、高齢者施設でのコロナ陽性者対応の一幕をお届けします。と同時に、問題提議を以下の『多組織との連絡調整』の観点で記載していきます。

1 多組織との連絡調整


1)   往診医との連絡
2) 新型コロナウイルス感染症医療調整センター
3) 保健所からの陽性者情報の電話対応


1)往診医との連絡


①陽性者の判定
高齢者施設内でコロナ陽性者(以下=陽性利用者という。)が確認された場合。その発症は、発熱であったり咳や痰の喀出で変化が初期症状である。
→確定診断を受けるために、陽性利用者の往診医へ施設から連絡を入れる。→往診医の診察と検査によって、コロナ陽性者と診断されると、入院の必要性の有無を判定する。判断基準は、以下の表を参照。

表1
入院必要性・優先度判断基準(入院必要性・優先度判断スコア) 詳細は、以下URL参照

https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/documents/score1201.pdf


② 入院の必要性の判断と連絡
判定基準でスコアを確定し、必要と判断すると、往診医から『新型コロナウイルス感染症医療調整センター』に連絡を入れる。
上記の手順を踏むと、陽性利用者についての問い合わせが待機期間が明けるまで連日、電話連絡が入ることとなる。

2)新型コロナウイルス感染症医療調整センター


(1)連日午前中
①バイタルサインの確認
②症状の確認
③摂食・飲水の確認
④前日との変化について
上記の①~④の項目について、電話で伝えたのちには、
⑤入院が必要と判断しますかと問われる。
この入院の必要性に関しては、医師の判断によってなされているもので、施設スタッフが判断したことではない。にもかかわらず、必ず聞かれる。
(2)陽性利用者の症状悪化時の対応
上記の連日の電話対応の際に、発熱の持続や食欲低下による食事摂取量と飲水量が激減し、ベッド上から寝たきりになり酸素飽和度も低下している陽性利用者の出現について知らせると、受診調整となる。
①医師を探し当ている
②医師が確定したら新たに連絡する
③時間が何時ごろである
④識別番号として暗証番号の連絡
⑤薬物投与における料金の発生についての連絡
医師の診察が確定するまでに①~⑤について、『新型コロナウイルス感染症医療調整センター』の看護師から5回の電話連絡が入る。
午前中にバイタルサインその他を問う連絡が午前中に入ってから、都合5本の電話を受け、医師の診察が21時という現実であった。

2名の陽性利用者が、入院ベッドが見つからず、診察が必要なケースとなると、同じ電話を、朝から12本もうけるのだ。

3)保健所からの陽性者情報の電話対応



そのほかにも連日の電話対応が、保健所からの陽性利用者数と、職員の発症について問う内容が生じる。

2 現場は職員の感染による職員不足と陽性使用者複数人


 想像していただきたいのは、陽性利用者が複数人いて、入院できないがゆえに在宅酸素療法を導入するケースがあるということだ。
同時に、職員もコロナに感染し、人員不足が生じているうえで、医療施設での対応を高齢者住宅で行っているということになる。

3 なぜ電話対応なのか


1)業務内容の増加と人員不足


 ゾーニングをして陽性利用者の異常の早期発見に努めるとともに、高齢者の日常生活動作を維持するために活動量を維持する車椅子移乗や経口摂取介助、一時的に排泄の自立が低下してしまっている方の、車いすトイレへの誘導や、オムツの使用と陰部の清潔の保持、口腔ケア、清潔ケア。

2)情報の伝達内容のツール確保


 新型コロナウイルスが、感染症分類5類になると報道されているが、今回のコロナ陽性利用者の情報伝達には様々な問題点が明らかとなっている。
行政と陽性利用者の情報共有の手法を、電話に頼っていることがIT社会でなぜに改善されないのか不思議でならない。
早急に、今回の問題を解決することこそが、次に生かされる社会となるのではないだろうか。

 コロナ禍は、学校教育にICT導入が必要であると謳っておきながら、ハードの面とネットワークの整備の遅れが、教育主体の格差として明らかとなった。

 医療機関と高齢者施設の格差も、これから鮮明になってくるであろう。声を出して、問題提議する現場の人々がいなけらな、それは誰の目にも止まらず埋もれてしまい改善もなされず、対策のないコロナ禍にすぎなかったと振り返ことになるであろう。


2022.1.21(土)
MILK


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