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紫乃宮詩乃とロストの必然

※この記事はエモクロアTRPGシナリオ「捕鯨」、「目指せ!!スーパーアイドル」のネタバレを含みます。

10/4エモクロアTRPG「捕鯨」にて自キャラをロストしたため、彼女の供養も兼ねて書き記しておきます。
2022年10月下旬にシナリオ「目指せ!!スーパーアイドル」に連れていくために作成されたPC(プレイヤーキャラクター)です。
影があるキャラを作るのが好きなあんみこは、この子も同様に非常に厄介な傷を持たせてます。
日本のトップアイドルだった紫乃宮りんごを母に持ち、恋多き母のスキャンダルのせいでマスコミから追われ引っ越し続きの生活を送る。
普通の女の子として生きたかった表の感情“憧憬”、母に母として接してほしかった裏の感情“孤独”の所以となります。そんな彼女は成長するにつれ次第に、アイドルにならなくては。世間はアイドルとしてデビューすることを望んでいるんだ。という固定概念、呪縛に囚われるようになります。
「目指せ!!スーパーアイドル」では呪縛に囚われつつ、周りの女の子のアイドルデビューへの強い想いに比例して、母から母親としての役割を奪った“アイドル”に嫌悪感を抱く自分が目指していいのかという罪悪感と葛藤することになります。シナリオでは、彼女は友達を見つけ、母の呪縛から解放され、アイドルとして覚醒するまでが描かれます。
今回の「捕鯨」はその後のお話。
シナリオの内容は割愛しますが、ピックアップしたいとことしてはコンビニでアイスを選ぶ描写。何が食べたいかという問いに詩乃はスポンサーの意向を気にして、選ぶのを躊躇します。食べたい物食べたらいいじゃん。って不思議がられます。
生まれてこのかた、当たり前のようにしてこなかったこの選択は、詩乃にとっては何気のない、大きな選択でした。好きなものを選び、口にした彼女は、とてもとても幸せそうでした。何だったらここで少し泣く。
その後、クライマックスではある選択を迫われます。
それは、一目瞭然な、こちらを選択すれば、詩乃は生きれないということがわかる選択。
ここで少し不思議なことが起こります。
紫乃宮詩乃が勝手に動き出したんですよね。
ここまで一心同体だったのに、解離を起こします。
いや、これガチで。これTRPGプレイヤーなら経験ありそうなんだけど。
もちろん操作権、決定権は自分にあり、自身のさじ加減で選択を行うことはできます。
1番彼女の心境を理解できていたからでしょうかね。プレイヤーとしては彼女を死なせたくないです。当たり前に。でも彼女は、選ぶんですよね。自らの命を手放す選択を。
彼女なら、詩乃ならきっとこの選択をするんです。
この子はブレないんです。
こうしてPCが、PLの気持ちをすり抜けてしまった。
もちろんこの後の救済処置も用意してあります。ここからはPLもなんとか詩乃の沈みゆく手をすくい上げることに尽力します。ダブル成功判定もでて、ボーナスダイスが2個もつくという好条件です。

結果は、詩乃のブレない意思が勝ったのでしょう。差し伸べられた手は払い除けられ、ダイスは詩乃の意思に添うかのように失敗し、眼の前で消えていったのでした。
あー、ロストしてしまったんだ、、、そう放心しながら最後の台詞を読上げて終了しました。
何度もDLさんにも伝えましたが、詩乃ならこうしていただろう、納得のいくロストでした。
DLさんは「目指せ!!スーパーアイドル」で同卓いただいたので、詩乃のことを知ってくれていたからこそ、良いお話になったかと思います。前作のPCを間接的ながらも登場させてくれたの嬉しかったw諸々、感謝しか無いです。
さて、紫乃宮詩乃のお話はここまでになってしまいました。彼女は亡くなってしまったのかな。それとも新たな怪異となったのかな。こうやって書き記しながら少しずつ受け入れることができてきました。
例えば、戦闘ゴリゴリのシナリオにヒョロヒョロなPCを連れていけばそりゃロストする。例えば、謎解きがメインのシナリオで脳筋連れてっても。そう、捕鯨に紫乃宮詩乃は、ね。

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