アダルト配信をしたら捕まった話(8)

病院に着いて、最初にレントゲンを撮ってもらった。異常なし。頚椎捻挫でしょうねー。いわゆるむち打ちである。

母……より少し年上だろうか。婦警さんが直ぐに来てくれた。向日町警察署にいた人だ……。厳しそうな人だな、と思った。


車も、同乗していた刑事さんも使い物にならない(言い方)(仕方がない)ので、対応が決まり、新しい車が来るまで待つしかなかった。
わたしの湿布や痛み止めの薬の処方も待たなければいけなかった。


座っていると、目眩がした。フラフラする。座っていられない、歩けない。吐き気もする。支えてもらってなんとか歩いて、ベッドに寝かせてもらった。


勝手に涙が出る。怖い。目眩は怖い。沈んでいく。じぶんが、しずむかんじがする、もどってこれなくなる、しずむ、しずむ、うかぶ、まわる、しずむ、じぶんがなくなる。


厳しそうだと思っていた婦警さんが手を握ってくれて、頭を撫でてくれた。


「よかった、やっと泣いてくれた。」


訳が分からなかった。頭が働いていなかった。ぐるぐる、ぐるぐる、あたまも、めも、からだも、ぐるぐるしていた。


「長崎から連れてこられて、ひとりで不安やろうに泣かんから心配してたわ。」


あぁそっか。泣いていいんだ。泣くんだこういう時。


やっと人生終わった、と安心していたとはいえ、逮捕されて、手錠をかけられて、遠いところまで来て、明日からのこともわからなくて。職場にも嘘ついて、彼氏にも友達にもよく分からないLINEをして。不安じゃないわけがない。ずっと不安だった。そっか不安だったんだ。


ひとしきり泣いたら、ほらもう泣かない!明日から頑張らなあかんよ!と言われた。頑張らなきゃいけない。何をかよくわかってないけど、自分の蒔いた種だ。頑張らないと、終わらせないと。


めまいと痛みと不安と戦いながら、時間が過ぎるのを待った。

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ひたすら具合が悪かったです。

事故は怖いですね。追突ってこっちが気をつけててもどうしようもないですからね。


頭を撫でてくれた婦警さんは、普段めちゃくちゃ怖い人だったらしいです。周りの警察の人にこの人がこんなこと言うのレアなんだぞ〜と言われました。


朝からずっと不安感はあったはずなのに放ったらかしにしていましたね。

4月から働く上で、あんまり不安とかつらいとか悲しいとか、そういうのに目を向けると生きていけなかったので意識的に無視する癖がついていました。よくないですね。

人間不安な時は不安で、つらい時はつらくて、悲しい時は悲しいでいいんですよね。最近やっとそれが出来るようになってきました。


当時は帰れたら終わり、と思っていましたが、個人的には今も何も終わってないですね。終わりなんかないです。

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